研究課題/領域番号 |
01570300
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松本 信雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30009998)
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研究分担者 |
塩田 正俊 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90187328)
吉葉 繁雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90056549)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 酵素活性 / 酵素誘導 / PCB / 胎仔肝 / 新生仔肝 |
研究概要 |
本年度は、薬物代謝酵素系のうち、Aniline hydroxylase(AH)と7-etho-xycoumarin O-deethylase(ED)について発生のどの時期から活性が検出できるのか、またPCB母獣に投与したとき胎仔のAHおよびEDがどの様な反応を示すのかについて検討した。方法:(1)ICR系12週令のマウスを用い、膣栓を認めたものを妊娠0日とした。妊娠16・18・19日に母獣肝・胎盤・胎仔肝を摘出し、AHおよびED活性を測定した。(2)摘出5日前に母獣にPCB(KC-500)を投与したものについても、同様にAHおよびED活性を測定した。(3)タンパク質はLowry法、AHは吸光度法、EDは蛍光光度法にて測定した。結果:(1)AH活性について:母獣肝では酵素活性が明らかに検出され、PCB投与によって活性値が上昇した。妊娠16日の胎仔肝および胎盤では検出限界以下であったが、18日になると両者とも活性が検出され、新生仔肝(19日)>18日胎仔肝>18日胎盤の順であった。PCB投与群でも16日胎仔、胎盤とも検出限界以下であり、18日の胎仔肝・胎盤、新生仔肝(19日)で活性が検出されたが対照群との差はみられなかった。(2)ED活性について:母獣肝ではADと同様に活性が検出され、またPCB投与によって上昇した。16日胎仔肝、胎盤では検出限界以下であり、18日胎仔肝、新生仔肝で活性が検出された。18日胎盤では微量に活性が検出された。PCB投与群でも同様に活性が検出され、さらに18日胎仔肝、新生仔肝においては活性の上昇がみとめられた(18日胎仔肝P<0.05)。以上の結果より、対照群の胎仔期(18日)から新生仔期の肝においてAH、EDのいずれも活性が急速に上昇することが明かとなった。またPCB投与によって母獣肝では両酵素とも活性値が上昇するが、胎仔、新生仔肝ではED活性値のみ上昇し、AHでは活性値の変化はみられなかった。この現象は、発育段階特異性によるものと考えられるが、今後なお、動物種、系による肝細胞のPCBに対する感受性、あるいはいPCB特有の作用によるものか検討を要する。
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