研究課題/領域番号 |
01570306
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
清水 弘之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90073139)
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研究分担者 |
松木 秀明 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90096264)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 受動喫煙 / 尿中コチニン |
研究概要 |
1.目的 受動喫煙の疫学研究は公衆衛生上重要な課題であるが、質問票・面接によってのみたばこ煙への暴露量を推定している限り、信頼性に問題がある。そこで、非喫煙女性を対照に夫の喫煙状況等を調べ、尿中のコチニン(ニコチンの代謝産物、半減期約36時間)との比較を行うことによって、通常行う質問で的確な受動喫煙の指標となるかどうかを明らかにしようとした。合わせて、尿中コチニン値とHydroxyproline(HOP)値(肺の損傷の程度を示す一指標と考えられている)との関連性を分析することにより、受動喫煙の肺組織への影響の客観的把握を試みた。 2.方法 対象としたのは、某県の中心都市およびその近郊に住む40歳以上の非喫煙女性54名であり、夫の喫煙状況と職場における喫煙者の有無を聴取した。また、その後直ちに、尿の提供を受けた。ガスクロマトグラフィ-により尿中のコチニン値をオ-トアナライザ法によりHOP値をそれぞれ測定した。1例の尿において極端に高いコチニン値が測定され、直接喫煙によるものと想定されたので、以下の分析から除外した。 3.結果 尿中コチニンの平均濃度は6.4ng/mlであった。クレアチニン値(14-26mg/dl)との比(Cot/Cr)(×10^6)を算出したところ、平均14.1であった。夫の喫煙状況別にCot/Crを求めたところ、夫が喫煙者の場合17.5、非喫煙者の場合11.0であった。また、職場に喫煙者がいると回答した者の平均Cot/Crが18.7であったのに対し、職場に喫煙者がいないと答えた者、非就労者のCot/Crは、それぞれ15.0、9.8であった。夫が喫煙者で職場に喫煙者がいる場合の尿中Cot/Crは、24.1(n=13)であった。HOPとクレアチニンの比×10^3(HOP/Cr)は平均27.4であり、Cot/Crとの間に高い相関(r=0.766)(n=53、p値<0.000)が認められた。
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