研究課題/領域番号 |
01570322
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 勉 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70118454)
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研究分担者 |
森岡 聖次 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70244754)
笠松 隆洋 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20073695)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 循環器疾患 / 脳血管疾患 / 心疾患 / 標準化死亡比 / 栄養調査 / 食事パターン / 重回帰分析 / 虚血性心疾患 / 栄養摂取量 / 食生活 / 地域差 / 多変量解析 / 地域格差 |
研究概要 |
和歌山県における栄養摂取の実態を地域別に把握し、さらに和歌山県で高率にみられる循環器疾患の発症要因を探るため、心疾患、虚血性心疾患、脳血管疾患死亡の標準化死亡比を指標として、それと県民栄養調査から得た県民の栄養摂取状況との関連について検討した。その結果、小のことが明らかになった。(1)和歌山県民の栄養素摂取状況を全国平均と比較すると、たん白質摂取量は全国平均とほぼ同じであるが動物性たん白質の摂取が多いこと、脂肪摂取量は少ないが動物性脂肪が多いこと、炭水化物摂取量は平地農村と農山村で多いこと、ビタミン類の摂取量が少なかった。栄養比率では穀類エネルギー比が高く、脂肪エネルギー比が低かった。このことは特に農山村において顕著にみられた。(2)和歌山県民の食品群別摂取状況を全国平均と比較して、全国平均を上回っていたものはわずか米類、砂糖類、魚介類にすぎなかった。(3)食物摂取パターンをみると、全県的に米類を主食とし、それに伴い漬物類、魚介類、豆類を多食するわが国の伝統的食形態がみられた。しかし、都市近郊では小麦類の摂取が多い近代的副食品多食型の傾向がみられた。(4)単相関分析において、心疾患死亡とビタミンCおよび野菜類摂取量との間に負の相関、虚血性心疾患死亡率と小麦類との間に正の相関さらに野菜類との間に負の相関、脳血管疾患死亡と食塩との間に正の相関が認められた。(5)重回帰分析において、心疾患死亡には野菜類と果実類が負の因子、砂糖類が正の因子として採択された。虚血性心疾患死亡には野菜類と乳・乳製品が負の因子、米類が正の因子として採択され、脳血管疾患には砂糖類が正の因子として採択された。 以上の結果を踏まえ、和歌山県において循環器疾患発症を予防するためには、食生活面で野菜類、乳・乳製品の摂取増加を重点とし、バランスのとれた食事への改善が望まれる。
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