研究課題/領域番号 |
01570334
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
龍野 嘉紹 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80030831)
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研究分担者 |
山田 光子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80145911)
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | アルツハイマ-型痴呆 / 神経病理学 / 免疫組織化学 / 老人斑 / 神経原線維変化 / アルミニウム / 動物実験 / 海馬 / アルツハイマ-原線維変化 / 家兎 / 剖検診断基準 |
研究概要 |
1.当教室及び兵庫県監察医務室で最近数年間に行った司法解剖及び行政解剖例のうちで、(1)明らかに老人性痴呆、アルツハイマ-病と癌床的に診断されていた症例、(2)入院歴はないが、痴呆症状が明らかで、夜間の路上徘徊、赤信号無視で交通事故死した事例、山中にて道に迷い、病死や凍死などした事例など。(3)非痴呆例で65歳以上の一般老人。以上や3群について以下の結果を得た。(1)(2)群と(3)群の組織所見に明らかな差異が認められた。(1)(2)群の主要な組織学的特徴は老人斑と神経原線維変化が多数存在することであり、両者はアルツハイマ-型痴呆の有用な診断標識と考えられた。ただし、多数の老人斑が存在し、神経原線維変化が存在しない場合は臨床経過が短い症例と考えられる。GFAP染色とcongo red染色の二重染色では、前者より典型的な老人斑が反応性のastrocyteによって取り囲まれ、その突起が老人斑の内部に進入している状態が認められた。後者によってアミロイド芯がよく検出された。LCA染色では老人斑と考えられるplaqueにmicrogliaが群がっているのが認められた。Thioflavin S蛍光染色では、アミロイド芯、血管壁沈着のアミロイドが検出され、一部の神経原線維変化がアミロイドの染色性を示した。Khachaturianの報告によるアルツハイマ-型痴呆の解剖診断基準を用いて老人斑の数を顕微鏡で拡大200倍の視野でかぞえた。基準を十分に満たす多数の老人斑が認められた。 2.アルツハイマ-病の脳でアンモン角などにアルミニウムの増加の報告があり、我々は家兎の小脳延髄槽内、硬膜下及び脳実質内に、リン酸アルミニウムを投与した。17羽中、投与半日後に死亡した1例を除く16羽において、アルツハイマ-原線維変化を極めて類似した所見が認められ、特に海馬において著明であった。
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