研究概要 |
Methamphetamine(MAMP),Amphetamine(AMP)pーOHーMAMPおよびpーOHーAMPの各光学異性体をラット尿から一斉識別するためにChiral stationary columnを装備したHPLCにより検討した。各異性体はBenzoyl誘導体として測定した。dーMAMPあるいは1ーMAMP投与ラット尿では,各々の光学活性に相当する4種類の代謝産物のisomerのみを1.00以上のResolution(Rs)で36分以内に一斉分析することができた。dlーMAMP投与ラット尿中に排泄したMAMPおよびAMPのlーisomer量はdーisomer量に比べ低い値(1/d<1.00)を示し、逆にpーOH体のMAMPおよびAMPのlーisomerはdーisomerの排泄量に比べ高い値(1/d>1.00)を示した。この結果から,ラットにおいて立体選択性代謝の存在が示唆された。投与後24時間までの全排泄量は投薬量の約50%(dーisomer(%);23.70±1.45、lーisomer(%);25.70±1.45)であり、そのl/d ratioは1.08±0.03であった。一方、MAMPーabuserから得られた乱用原末(11検体)あるいは尿(28検体)に本法を応用した結果、濫用原末からはdーMAMPのみが、乱用者尿からはdーMAMPとその代謝産物dーAMPが各々検出された。この事から日本での覚醒剤乱用は現状のところdーisomerのMAMPのみに限られているものと推察される結果を得た。
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