研究概要 |
生後2〜3ケ月齡マウスを若齡マウス、生後13〜16月齡マウスを老齢マウスとし、calphobindin(CPB)及びタイプIIコラ-ゲンを免役し、抗原特異的T細胞クロ-ンを作成した。マウスはBALB/c(Hー2d)及びそのcongehicマウスを用いた。今回我々は、L3T4(CD4)陽性T細胞株のみを解析の対象とした。calphobindinに反応性をT細胞株は、タイプIIコラ-ゲンとは反応しなたった。またBALB(Hー2b)及びBALBーK(Hー2K)のnonーT細胞も抗原提示細胞として用いた場合、反応は認められず、NHC拘束性が確認された。 CPBは、分子量34Kd,pI49の蛋白質で、関節潤液中に高濃度に存在する。本物質に対する自己抗体が慢性関節リウマチ患者の血清中に認められることが明らかになり、病因論的意義が注目されている。近年そのcDNAも明らかになり、今回我々は、遺伝子操作により作製された純粋な抗原を用いて解析を進めている。CPB特異的T細胞株として、老齢マウスからOCBー1,OCBー2,OCBー3が、若齢マウスからYCBー1,YCBー2,YCBー3,YCBー4,YCBー5がそれぞれ異なったマウスの固体から確立された。 次に。各T細胞株に対する単クロ-ン抗体をハイブリド-マの方法に従って作製した。OCBー1に対する単クロ-ン抗体(αOCBー1mAb)は、OCBー2,OCBー3及びYCBー4のCPBに対する反応を抑制したが、YCBー1,YCBー2,YCBー3,YCBー5のCPBに対する反応は抑制しなかった。この結果は、T細胞の抗原認識のレパ-トリ-が加齢により変化している事実を示唆するものと考えられる。今後、他の単クロ-ン抗体についても検索し、T細胞抗原認識レセプタ-の遺伝についても解析を進めたい。
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