研究課題/領域番号 |
01570367
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 国立病院医療センター(臨床研究部) (1990) 自治医科大学 (1989) |
研究代表者 |
隅谷 護人 国立病院医療センター, 内科, 医長 (90049065)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 抗リン脂質抗体 / 全身性エリテマト-デス / 中枢神経ル-プス / 肺高血圧症 / 抗カルジオリピン抗体 / 中枢神経症状 |
研究概要 |
抗リン脂質抗体(aPL)の臨床的意義について、SLEを中心に検討し、以下の結果を得た。 1.抗カルジオリピン抗体(aCL)ELISAの検討では、一部の血清では緩衝液に加える溶質(Tween20、ゼラチン、FCS,BSA)よってaCL抗体価に差を認めた。実験にはFCSを用いた。 2.中枢神経(CNS)ル-プスではIgGーaCL陽性率が有意に高い。aCL陽性CNSル-プスでは意識障害、けいれん、運動麻痺を示し脳波や髄液の異常を示す例が多く、髄液中のaCLも上昇する例が多いのに対して、aCL陰性群では精神症状単独例や髄膜炎が多かった。aCLはCNSル-プスの器質的障害に関与することが示唆された。 3.肺高血圧症(PH)を合併した5例では全例aCL陽性で、このうち4例はIgG,IgM抗体とも陽性であった。aCLとPHの関連性は混合性結合組織病調査研究班の全国調査でも確かめられた。 4.aPLの抗原特異性と臨床所見との関連性については、流死産、aPTT延長に関連するIgGーaPLは陰性荷電リン脂質に対する結合性が高い傾向を、また、CNS、血小板減少、流死産、aPTT延長、PHに関連するIgGーaPLは中性リン脂質に対する結合性が逆に低い傾向が見られた。PHにみられたIgMーaPLの抗原特異性には特徴は認めなかった。陰性荷電リン脂質に対する特異性の高いIgGーaPLの臨床的重要性が示唆され、aPLおよびその抗原特異性を調べることは、SLE患者の予後の判定と治療の選択に役立つと考えられた。
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