研究概要 |
平成1年度にラット肝潅流操置を購入した。本装置を用いて肝細胞は95%以上のviabitityを得ることができた。肝内胆管細胞の分離は以下の2方法を試みた。(1)Isopycnic centrifugation法 (2) (1)+Immunoattinity法。 (1)の方法により50ー60%の純度の胆管細胞が得られた。培養を前堤に、集合した胆管上皮として分離した。分離した細胞を10%FCS,ウィリアムズ培地で培養を行った。基盤に、プラスチック,コラ-ゲン,マトリゲル(コラ-ゲン+ラミニン)を用いた。細胞接着率はマトリゲルの10.5%が最も良好であった。培養は6日間可能であった。しかし、6日間の培養で胆管細胞数は増えず,電子顕微鏡視築でも上皮性細胞接合は認められなかった。 (2)のImmunoattinity法を行なうために、メイヨ・クリニックのN.F.La Russoより抗胆管上皮もモノクロ-ナル抗体の供与を受けた。同抗体を用いた場合、純度は60〜70%であった。一方、Brown大学のR.Farisより,異なる抗胆管上皮モノクロ-ナル抗体の供与をうけた。本抗体を用いた場合、純度は80%代になった。この方法により得られた細胞を用いて,培養条件の決定に入っている。 本年度までに発表に値する成績は得られなかった。現在検討中の培養条件が決定したら発表する予定である。しかし、間葉系細胞の増殖が大きい事、胆管上皮の増殖能が低い事を考えると、長期培養は困難と考えている。今後は、純度の向上、安定した胆管上皮細胞の供給を可能にする目的で、SVー40トランスフェクション等の方法の導入を考えている。
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