研究課題/領域番号 |
01570391
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助手 (90183285)
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研究分担者 |
松田 幸彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
田村 信司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
乾 由明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
藤岡 滋典 大阪大学, 医学部, 助手 (40218988)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 講師 (70116101)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脂肪肝 / VLDL / mRNA / apoB / 肥満症 / sucrose / コリン欠乏食 / acetylーCoA carboxylase |
研究概要 |
種々の脂肪肝の成因を明らかにするためにVLDLの構成成分であるapoB,トリグリセライド(TG),リン脂質(PL)の相互の合成調節について検討した。まず肥満に伴う脂肪肝のモデル動物として視床下部腹内側核(VMH)破壊ラットを作成し、肝の電顕による観察で脂肪滴とVLDL顆粒と多数認めた。TG合成の律速酵素であるacetylーCoA carboxylase(ACC)活性は約1.8倍に増加し、TG合成が亢進していることが示唆された。apoB mRNA量は約1.5倍に増加し、肥満に伴う脂肪肝でapoB合成が亢進していることが明らかになった。肥満症における高VLDL血症は肝でのVLDLの合成亢進によるものと考えられた。次に食餌組成の影響について検討した。高sucrose食でVMH破壊ラットを飼育し、肝apoB mRNA量およびACC活性を測定した。VMH破壊肥満ラットを高sucrose食で飼育すると肝内脂質含量は標準食に比しさらに増加した。apoB mRNA量とACC活性はともに増加したが、ACC活性の増加がより著明であった。sucroseの摂食によりapoBとTG合成亢進の程度にアンバランスが生じたことが脂肪蓄積をより著明にした要因であると考えられた。また肥満に伴う脂肪肝の成因として両者の合成亢進のアンバランスが考えられた。第3にリン脂質合成障害が推定されるコリン欠乏食について検討した。コリン欠乏食ラットでは肝リン脂質含量は低下した。また肝TG含量は対照群の約10倍に増加したが、血清TGは著明に低下した。ACC活性は現在検討中であるが、apoB mRNA量は増加していた。以上よりコリン欠乏状態におけるVLDL assemblyの障害がapoBのtranscriptionの増加につながると考えられた。
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