研究課題/領域番号 |
01570392
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大槻 眞 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (00030916)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 消化管ホルモン / 膵癌 / インスリン結合 / 蛋白キナ-ゼC |
研究概要 |
ラット単離膵腺房を用いて、膵腺房へのインスリン結合に及ぼす種々の消化管ホルモン及び神経伝達物質の影響を検討した。コレシストキニン(CCK)な膵に対し栄養効果を有することが知られているが生理的濃度範囲内のCCKは、膵腺房へのインスリン結合を有意に抑制した。CCKの抑制作用は時間並びに用量依存性であった。そのうえ、4°Cの条件下や膵腺房膜標品においても、CCKのインスリン結合抑制作用が認められた。未分化肺癌で、autocrine機序により癌発促進作用を有することが知られているボンベシンも、膵腺房へのインスリン結合をCCKと同程度に抑制した。一方、生理的濃度(100pM)のセクレチンはインスリン結合を有意に抑制しなかった。膵腺房へのインスリン結合の抑制は、phorbol esterを用いても同じ様に認められたが、Ca ion ophore A23187では再現出来なかったことから、細胞内メッセンジャ-としてproteinkinase Cが関与していることが示唆された。以上、本年度は、生理的濃度のCCKがprotein kinase Cを細胞内メッセンジャ-として膵腺房へのインスリン結合を抑制することを明らかにした。現在、ラット膵腺房癌細胞を用いてCCKのインスリン結合に及ぼす影響を検討中である。 最近、ヒト膵癌に対するCCKの増殖促進作用や、ヌ-ドマウスに移植したヒト膵癌発育に及ぼすCCKやCCK受容体拮抗物質の効果に関する報告が散見される。これらの報告を参考にして、今後ヒト膵癌細胞においても同様の検討を予定している。また、phorbol esterがインスリン受容体をリン酸化することが示されていることから、CCKのインスリン結合抑制作用は、CCKがインスリン受容体をリン酸化することにより生じている可能性が考えられ、CCKのインスリン受容体リン酸化に及ぼす影響についても正常膵膜房並びに膵癌細胞で検討中である。
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