研究課題/領域番号 |
01570407
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高後 裕 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10133183)
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研究分担者 |
茂木 良弘 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30190953)
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | エタノ-ル / アシアロ糖蛋白受容体 / 蛋白合成障害 / アシアロ糖蛋白白受容体 / アルコ-ル / 肝細胞膜 / HepG2細胞 / Northern blot / Western blot |
研究概要 |
ヒト肝細胞機能を比較的良く維持いている肝芽腫由来細胞株であるHep G2細胞を用いて、 in vitroでのアシアロ糖蛋白受容体(asialoglyco protein receptor;AGPR)の発現に及ぼすエタノ-ルの影響を検討した。Hep G2細胞表面のAGPR数はエタノ-ル処理により、アフィニティ-の低下なしに非処理細胞の60%に減少していた。細胞表面と細胞質を含めた総AGPR数は、エタノ-ル処理により細胞表面のレセプタ-数に平行して低下した。またasialo α _1ーacid glycoproteinの細胞内取り込み量も、エタノ-ル処理群で対照の約45%に低下していた。このAGPR蛋白の合成低下にどのような分子機構が関与しているかを知る目的で、ヒトAGPRオリゴヌクレオチドプロ-ブを用いたNorthern blot法でAGPR mRNAの発現をみたところ、レセプタ-蛋白質の減少とは逆に、むしろAGPR mRNAの発現は増強していた。しかし、この現象は可逆的でエタノ-ル添加の中止によりAGPR mRNAの発現量は減少した。そこでAGPRの新合成を検討したところ、エタノ-ル処理Hep G2細胞では新合成AGPR蛋白質は減少していた。このことからエタノ-ルによるAGPR蛋白発現量の低下は、転写の障害によるAGPR mRNAの発現の減少によるのではなく、転写後の翻訳される過程での障害によることが推察された。エタノ-ル処理Hep G2細胞のAGPR mRNA発現の増強は、AGPR減少によるフィ-ルドバック機構が働いてDNAからmRNAへの転写が増強されたか、あるいはAGPR mRNAの分解が遅延いていることなどの可能性が考えられた。
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