研究課題/領域番号 |
01570416
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山本 俊夫 近畿大学, 医学部, 教授 (50088522)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ビリルビン / 肝細胞膜輸送 / スルフォブロモフタレイン / タウロコ-ル酸 / 膜流動性 / リン脂質 / S-アデノシルメチオニン / ESR |
研究概要 |
細胆管側肝細胞膜vesicles(CMV)へのbilirubin digolucuronide(BOG)摂取については、CMVを用いて、〔^3H〕BDGの摂取を急速ろ過法にて観察した。〔^3H〕BDGはラットに〔^3H〕αALAを投与して胆汁から精製した。KClの濃度勾配下で〔^3H〕BDGの初期摂取は、〔^3H〕BDG濃度を上昇させると飽和した〔Km=75μM、Vmax=0.38nmal/mg蛋白×20s、37℃)。CMVを非標識BDGにて前孵置すると、〔^3H〕BDG摂取は対照の約1.3倍に増加した。BSPは〔^3H〕BDG摂取を競合的に阻害するが、タウロコ-ル酸Naによる阻害は認められなかった。100mM等価のアニオン勾配下での〔^3H〕BDG摂取は、Cl^-にての摂取を100%(平均)とした場合、HCO_3^-244%、SO_4^<2->78%、NO_3^-68%、SCN^-50%であり、HCO_3^<>の勾配下での摂取が極めて高かった。一方標識タウロコ-ル酸Naの摂取はCl^-100%、SO_4^<2->95%、HCO_3^-68%、NO_3^-72%、SON^-51%であり、HCO_3^-存在による特異的上昇はみられなかった。valinomycinの存在下で、K gluconate勾配下での〔^3H〕BDG摂取は、対照の約1.4倍に増加した。以上の結果から、BDGはタウロコ-ル酸Naとは異なり、BSDと共通のCMVのキャリア-によって移送される事、その駆動力としては、膜内外の電位差に加えて、HCO_3^-が何らかの役割を演じている事が明らかとなった。肝細胞膜流動性の観察は類洞側肝細胞膜vesicles(SMV)を用いて、5-doxyl-stearic acidを添加しスピンラベルし、膜流動性をESRにて測定した。S-adenosylmethionine(SAMe)をSMVに添加して変化を観察した。order parameter Sは対照群で0.634±0.003であったがSAMe添加にて0.623±0.003と低下しin vitroに流動性亢進が確認できた。膜リン脂質の測定のためにphosphatidylcholine(PC)他6種を分画測定できるHPLCを開発し、SMVおよびCMVにおいて測定を行い比較した。SMVにおいてはsphingomylinが各々高濃度で、膜のheterogeneityが証明された。今後黄疸時のビリルビン輸送を追究予定である。
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