研究分担者 |
水内 厚 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員
久保井 礼 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員
平塚 知子 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員
水内 知子 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員
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研究概要 |
実験動物における残存肺の代償再生の機序には不明の点が多い。本研究では以下の点の解明を目的とした。1)肺葉切除後,早期における代償性変化の形態学的,生化学的解明。2)代償性変化における年齢的影響の検討。3)代償機転の局所解剖学的反応差の検討,肺葉切除後,DNA polymerase活性は術後24時間で最も高く,以後,経時的に低下した。DNA polymeraseの分子種をpcクロマト法で解析すると肺葉切除群ではDNA polymerase αおよびβ活性の上昇がみとめられた。代償は変化を成熟ラット(4週齢)と幼若ラット(2週齢)の間で比較すると形態学的には差はなく,またDNA合成酵素系の活性にも差はみとめられなかった。S期細胞を同定する目的で抗Brdu抗体による色疫組織化学を実施した処,切除群で術後1日目では胸膜中皮細胞の染色率が対照群に比し有意に高く,次いで2日目では内皮細胞,間貭細胞の染色等の増加がみられた。このような細胞増殖に伴い,DNA量の増加がみられた。また肺elaston量の増加も平行し,術後3週目で1週目の約1.5倍となった。collagen量にも同様な傾向がみとめられた。
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