研究課題/領域番号 |
01570451
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 龍文 長崎大学, 医学部, 助手 (00198219)
|
研究分担者 |
竹尾 剛 長崎大学, 医学部, 医員
吉村 俊朗 長崎大学, 医学部, 助手 (80182822)
辻畑 光宏 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90039850)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
キーワード | HAM / 治療 / HTLV-I provirus量 / 抗HTLV-I IgM |
研究概要 |
(1)HAM治療について:HAM患者に対して、血漿浄化(PP)療法、経口プレドニゾロン(PD)療法、インタ-フェロンα(IFN-α)療法で治療を試み、その治療法の有効性と免疫学的パラメ-タ-の変動を比較検討した。PP療法においては22例中13例(59%)で、PD療法では24例中18例(75%)で、IFN-α療法では9例中6例(67%)で、運動機能の改善等に対して、有効であった。免疫学的パラメ-タ-に関しては、血清・髄液抗HTLV-I抗体価については、血清では、PP、PD療法共に、有意に低下したが、IFN-α療法では有意な変動を示さなかった。髄液では、有意な変動を示さなかった。また、末梢血リンパ球サブセットも、有意な変動を示さなかった。しかし、末梢血リンパ球幼若化反応については、HAM患者では、通常spontaneous proliferationの亢進がみられるが、この亢進が、IFN-α療法において、治療効果が得られると共に、抑制されるという事実が明らかにされた。現在、この機序について、免疫学的およびウイルス学的に解析を進めている。 (2)HAM患者末梢血におけるHTLV-Iプロウイルス量及び血清・髄液抗HTLV-I IgMの検討:HAM患者では、21例中15例(71%)で、末梢血リンパ球中のHTLV-I proviral DNAが検出され、これはHTLV-I carrierの15例中4例(27%)と比較して、有意な差が見られた。HAM発症に関して、HTLV-Iの末梢血での有意な増殖が、必要と考えられた。この中で、輸血後発症例では、特に、HTLV-I provirusのコピ-数が増加していることも明らかにされた。さらに、血清抗HTLV-I IgMを検索した結果上記抗体の出現は、HTLV-I provirusの検出とほぼ、相関していた。この事実よりHAM患者髄液にて、HTLV-I IgMを検索した結果、HAM患者8例中7例で、陽性であった。このことは、中枢神経内でも、HTLV-Iの増殖が亢進していることを意味すると考え、現在、PCRを用いて、検討中である。
|