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リゾスフィンゴ脂質の細胞障害、特に細胞呼吸抑制機序とその“解毒"機構

研究課題

研究課題/領域番号 01570461
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 神経内科学
研究機関産業医科大学

研究代表者

伊規須 英輝  産業医科大学, 医学部, 助教授 (60108686)

研究期間 (年度) 1989 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードリゾスフィンゴ脂質 / サイコシン / ガラクトシルスフィンゴシン / リピド-シス / 細胞呼吸 / ミトコンドリア / シトクロ-ムCオキシダ-ゼ / アルブミン
研究概要

多くのスフィンゴリピド-シスにおいては、酵素欠損が見いだされている。しかし、その酵素欠損がどのようにして病態を生じさせるかについては殆ど解明されてはいない。我々は、先に、スフィンゴリピド-シスの1つであるKrabbe病において、絶対量としては大きくはないものの、サイコシン(リゾ型セレブロシド)の蓄積が病変の主座である脳に蓄積することを見いだした。更に、サイコシンは細胞毒であることより、Krabbe病の重篤な神経症状はサイコシンの細胞毒性で説明しうることを示した。一方、他のスフィンゴリピド-シス、例えば、Gaucher病、TayーSachs病でも、リゾ型の脂質の蓄積が報告され、これらにおいても、同様の機序が働いている可能性が考えられた。しかし、これらのリゾ型脂質がどのようにして「毒」性を発揮するかは不明であった。そこで、このことについて検討し、少なくともin vitroでは、サイコシン、リゾ型グルコシルセラミドおよびスフィンゴシンが、細胞呼吸に重要なミトコンドリアのシトクロ-ムCオキシダ-ゼを強力に抑制することを見いだした。その効果は、いずれもシアンとも比肩可能な程であったが、シアンとは異なり、ミトコンドリア内膜の酵素環境を変化させることによることを明らかにした。
また、これらの脂質の作用はいずれも、アルブミンにより抑制された。
このアルブミンによるリゾ型スフィンゴ脂質の「毒」性抑制の背後には、アルブミンの強力な結合作用があることがわかった。このことより、アルブミンの治療(対症的ではあるが)への応用の可能性も考えられた。一方、生物の体内でも生成されうるアンモニアが脳のエネルギ-代謝産物レベルを変化させること、また、内因性「毒」として存在しうるかもしれないアクリルアミドがクレアチンキナ-ゼ(CK)活性を抑制することも見いだした。CKは生体エネルギ-(ATP)レベル維持に関与していると思われることから、これらについても更に検討する価値があるものと思われた。

報告書

(3件)
  • 1990 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (16件)

  • [文献書誌] 伊規須 英輝: "サイコシン:脳が作る「毒」ーその作用機序ー" 産業医科大学雑誌. 11. 487-493 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊規須 英輝,他: "巨大軸索ニュ-ロパチ-ーアクリルアミド中毒との比較ー" 福岡医学雑誌. 81. 163-169 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Igisu,H. et al: "Binding of galactosylsphingosine(psychosine)by albumin" Lipids. 25. 65-68 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsuoka,M.,Igisu,H. et al: "Effects of acrylamide and N'Nーmethyleneーbisーacrylamide on creatine kinase activity" Brain Res.507. 351-353 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsuoka,M.,Igisu,H. et al: "Effects of ammonia on brain energy metabolites ーーDoseーdependent alternations" J.Neurochem.55. 354-355 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Igisu, H.: "Psychosine : "Toxin" produced in the brain-its mechanism of action." Journal of University of Occupational and Environmental Health. 11. 487-493 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Igisu, H., et al.: "Giant axonal neuropathy--comparison with acrylamide intoxication" Fukuoka Acta Medica. 81. 163-169 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Igisu, H., et al.: "Binding of galactosylsphingosine (psychosine) by albumin." Lipids. 25. 65-68 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsuoka, M., Igisu, H., et al.: "Effects of acrylamide and N, N'-methylene-bis-acrylamide on creatine kinase activity." Brain Research. 507. 351-353 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsuoka, M., Igisu, H., et al.: "Effects of ammonia on brain energy metabolite--Dose-dependent alterations." Journal of Neurochemistry. 55. 354-355 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊規須 英輝 他: "巨大軸索ニュ-ロパチ- ーアクリルアミド中毒との比較ー" 福岡医学雑誌. 81. 163-169 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Igisu,H.et al: "Binding of galactosylsphingosine(Psychosine)by albumin" Lipids. 25. 65-68 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Matsuoka,M.,Igisu,H.et al: "Effects of acrylamide and N'Nーmethyleneーbisーacrylamide on creatine kinase activity" Brain Res.507. 351-353 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Matsuoka,M.,Igisu,H.et al: "Effects of ammonia on brain energy metabolites ーーDoseーdependent alternations" J.Neurochem.55. 354-355 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 伊規須英輝: "サイコシン:脳が作る「毒」ーその作用機序ー" 産業医科大学雑誌. 11. 487-493 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Igisu,H.,et al.: "Binding of galactosylsphingosine(psychosine)by albumin" Lipids. 25. 65-68 (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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