研究課題/領域番号 |
01570465
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青柳 一正 筑波大学, 臨床医学系内科, 講師 (40114029)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 活性酸素 / ピュ-ロマイシンアシノヌクレオシド / アデノシン受容体 / メチルグアニジン / OKY-046 / トロンボキサンA_2合成酵素 / 腎疾患 / 尿蛋白 |
研究概要 |
ピュ-ロマイシンのアミノヌクレオシド部分(PA)アデノシンと構造が類似しており、PAをラットに投与すると可逆性の多量の蛋白尿や多量では不可逆性の単状糸球体硬化を起す。我々はPAが体細胞である単離肝細胞での活性酸素の産生を1〜2時間で著明に増加させることを世界で最初に報告し、さらにアデノシンやそのポテンシエ-タ-(蛋白尿を減少させる)は活性酸素を減少させることよりアデノシン受容体の重要性を示唆した。PAによる蛋白尿はSOD等の活性酸素スカベンジャ-で阻止されることや他臓器もPAで障害を受けることも判明してきた。 臓器の活性酸素の産生の測定は困難であるが、我々は尿毒症起因物質とされるメチルグアニジン(MG)がクレアチニンから活性酸素と反応して産生されることを見出し、この反応を用いて活性酸素の産生を測定してきた。今回PAがどのような機序により活性酸素を増加させるかを細胞内小器官で検討した。フェノバルビタ-ル(pb)を投与しマイクロゾ-ムを誘導したラットから得た単離肝細胞は無処置のラットより得た細胞の約2.5倍のMG産生活性を有していた。マイクロゾ-ム分画(pb処置後)はNADHの存在下でMGを産生し、SOD、カタラ-ゼやDMSOはこのMG産生を約60%阻害した。しかし、PAの作用はpb処置により細胞レベルで認められなくなり、PAはマイクロゾ-ムのMG産生にも作用しなかった。pbにより増加するマイクロゾ-ムのMG産生は活性酸素によると考えられるが、PAはマイクロゾ-ムに作用しているのではないと考えられる。単離肝細胞での活性酸素の産生はトロンボキサンA_2合成酵素阻害剤として開発されたOKY-046で著明に抑制された。また活性酸素スカベンジ-CU3611によっても抑制され、これら両薬剤はPA腎症による蛋白尿を減少させることが報告された。本来の腎疾患治療薬剤のスクリ-ニングへの応用が可能であることがさらに拡がった。
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