研究課題/領域番号 |
01570473
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 良三 東京大学, 医学部(病), 講師 (60207975)
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研究分担者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病), 助教授 (20101090)
黒尾 誠 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 平滑筋 / 血管 / ミオシン重鎖 / アイソフォ-ム / 発生 / 分化 |
研究概要 |
永井らはすでに平滑筋ミオシン重鎖(MHC)に2種類のアイソフォ-ムが存在することをcDNAクロ-ニングにより明らかにした。本年度の研究では、まずこれらのMHCアイソフォ-ムに対する特異抗体を推測されるアミノ酸配列をもとに合成したペプチドより作製した。次にこれらの特異抗体とcDNAプロ-ブを用いて、血管平滑筋におけるMHCアイソフォ-ムの発現をmRNA、蛋白、組織学的レベルで検討した。アダルトの血管ではcDNAクロ-ンSMHC40に対応するmRNAはSM1、SMHC29mRNAはSM2と呼ばれているMHCに蛋白合成されることがイムノブロット法により示された。一方発する過程の大動脈では、SM1は胎児期より一貫して発現しているが、SM2は新生児期以降遅れて発現することが、mRNAと組織レベルで示された。しかし蛋白レベル(SDS-PAGE)では胎児期血管平滑筋に特有の第三のMHCアイソフォ-ムが存在することが明らかになった。 以上の結果は血管平滑筋が発生分化とともに形質変換を行うという最初の報告である。とりわけ収縮蛋白MHCが3種類のアイソフォ-ムとして存在し、その発現を変換させるという事実は、血管の収縮機構だけでなく、動脈硬化発症に伴う平滑筋の増殖を細胞分子レベルで解明する上で重要な知見である。
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