研究概要 |
今回の研究は陳回性心筋梗塞の患者において左心室拡張期にてマルチセンサ-カテ-テルにより左房圧、左室圧、パルスドプラ-法による僧帽弁血流波形を安静時アレジオテンレンによる後負荷上昇後で記録した。 10人の患者でパルスドプラ-法によるintegral atrial(A),early diastolic filling velocity(E),圧波形におけるleft ventricular pressure decayのtime constant(T),mitral opening pressure(MDP),left atrial pressure(LAP)-left ventriculccrpressure(LVP)gradient(pPG)LAP-LVP gradient interral(PGI),LAP declinelm(LAPD)を計測した。以下の表はこれ等の結果を提示する(mean±SD,*P<0.05,§P<0.01 vs Rest) E/A T(msec) MOP(mmHg) pPG(mmHg) mVLAPD Rest 1.6±0.5 42±8 9.9±4.4 3.4±0.9 53±29 Angiotensin 1.3±0.6§ 50±9§ 14.8±6.1§ 3.5±1.5 98±60* EとPGIの間に高い直線的相関が認められた(γ=0.8LP<0.01)LXLEとpPGの間には関係は認められなかった。mVLAPDとMOP(γ=0.80,P<0.01),PGI(γ=-0.66,P<0.01)との間には有意な相関が認められた。以上のことから心筋梗塞患者におけるpPGはEの直接決定因子ではなかった。アレジオテンレン後のE/Aの減少は、Tの延長と急速なLAPの減少からくるPGIの短縮によってもたらされた。 以上左室拡張早期についてみたが拡張後期においても同様の方法で観察した。
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