研究課題/領域番号 |
01570491
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 講師 (50136222)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 心磁図 / WPW症候群 / 心室頻拍 / 逆方向問題 |
研究概要 |
心磁図は、心起電力により生じる磁界の変化を捉えたもので、心電図と同様の情報を含んでいる。心電図法によると、肺、筋肉など身体各部位の透電率が異なるため、体表面上の心電図から心起電力を推定するいわゆる「逆方向問題」の検討が困難であるが、透磁率は身体各部位で差がなく、心磁図法では比較的容易に行える特徴がある。今回の検討では、従来のI素子の磁束計を用いてWPW症候群の磁界分布図を作成し、最小自乗法を用いて電流源を推定するシステムを作成した。また、MRIを用いて磁界図で求めた福伝導路の位置の確認を行った。これらの結果は従来の方法によりもとめた結果と一致し、本法が有用なことが示された。これらの結果は日本循環器学会総会、世界生体磁気学会などで発表し、論文としてもまとめて報告した(研究発表参照)。さらに、現在、共同研究施設において手術時に心表面興奮伝播過程を検討することにより副伝導路の位置を確認し、これらの症例を重ねている。今後は、副伝導路の手術による切断でなく、カテ-テルによる切断を可能とする技術を臨床応用することを目指し検討を加えていく予定である。 また、我々は既に多チャンネルの磁束計を導入し、磁界図自動作成、心起電力の逆方向問題を検討するシステムを完成させた。これらのシステムは多誘導点で同時に計測が可能なことより、WPW症候群のみならず、心室性不整脈の起源の推定にも有用である(本年度の生体磁気学会で発表予定)。心室頻拍、心室細動などの心室性不整脈は突然死の原因となることが多く、しかも、その発生頻度は年々増加しており、社会的にも大きな問題となっている。これら不整脈の治療法の1つとして外科的に不整脈源を除去する方法がある。この外科療法を行うためには、不整脈源の正確な把握が必要である。今回のシステムは、外部磁場を計測することによりこの不整脈の発生源を推定し、外科手術の際に役立たせるシステムを作成することである。
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