研究課題/領域番号 |
01570494
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢永 尚士 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80038702)
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研究分担者 |
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
畑 知二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90198739)
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60157170)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 再潅流心筋障害 / 再潅流不整脈 / カルシウム代謝 / フリ-ラジカル / フリ-ラジカル消去剤 / サイトカイン / 摘出潅流心 / ラット / 再潅流障害 / インタ-ワイキン1 / 腫瘍壊死因子 / 活性酸素消去剤 / ラット心臓 / Na^+ーK ATPaes / 活性酸素 / 潅流ラット心 / 膜脂質過酸化 / 心筋細胞膜 / 心筋カルシウム / 再灌流不整脈 / Na^+-K ATPase / 灌流ラット心 |
研究概要 |
心筋が虚血状態に陥った時、心筋を再潅流すると重症不整脈や心筋障害が出現することが知られている。本研究の目的は(1)再潅流により不整脈の出現や心筋収縮障害が心筋細胞内のカルシウム(Ca^<2+>)代謝とどのような関係にあるのか(2)再潅流直合より発生すると言われているフリ-ラジカルの出現と上記の障害はどのような関係にあるのか(3)活性酸素消去剤や坑不整脈剤の外的投与、更にはサイトカインなどによる消去剤の発現が再潅流不整脈や心筋障害に対して有効に働くのか、以上の3点について研究を行なうため、ラット心臓を摘出し潅流した。冠動脈を一定時間の後に狭窄し、その后解放した。実験中、心電図にて不整脈を左室左により心筋収縮能を評価した。心筋組織中の高エネルギ-燐酸化合物、膜過酸化度、ナトリウム(Na)ーカルウム(K)ATPase活性を測定した。不整脈に対する治寮効果をみるため、種々の坑不整脈剤、活性酸素消去剤等を虚血前もしくは再潅流時に投与し重症不整脈の出現頻度や持続時間を観察した。更に内因性の活性酸素消法剤の誘導をサイトカインで試み、不整脈や心筋障害に及ぼす防衛効果について検討した。その結果、虚血中には心筋Na濃度の上昇を来たすが、Ca^<2+>の増加は緩余であった。しかし再潅流直后よりCa^<2+>の上昇を認めた。虚血中に低Naの潅流液やアミロライドを投与すると再潅流中のCa^<2+>の上昇は抑制されるため再潅流時には膜のNaーH交換系やNa±Ca^<2+>交換系が重要な働きを担っていると考えられた。次に再潅流不整脈に対し活性酸素の消去剤を投与した時、不整脈の発生頻度には差を認めなかったが,持続時間が有意に短縮した。この時、膜過酸化度やNaーK ATPase活性も改善した。同様の結果は腫瘍壊死因子やインタ-ロイキンなどのサイトカインで前処置した場合にも認められ、フリ-ラジカルの発生が再潅流に伴う不整脈な心筋障害の発生因子の一つとして働いていることを示唆された。
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