研究課題/領域番号 |
01570499
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
柊山 幸志郎 琉球大学, 医学部, 教授 (50037363)
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研究分担者 |
木村 頼雄 琉球大学, 医学部, 助手 (50177937)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 自然発症高血圧ラット / 低塩食 / α受容体 / 中枢神経 / アンジオテンシン |
研究概要 |
〔目的〕自然発症高血圧ラット(SHR)の高血圧は低食塩飼育によっても阻止されない。腎側底膜α2受容体の増加によるNa再吸収の促進がその要因と思われる(1989年AHAにて発表)。腎のα受容体は交感神経系の調節を受けているので、SHRの中枢神経α受容体におよぼす低食塩飼育の影響を検討した。〔方法〕SHRとWKY(対照ラット)を離乳直後から正塩食(Na1.0%)と低食塩(Na0.4%)で飼育した。6週、8周、20周の各週齢で脳を摘出し、皮質、視床下部、延髄にわけ、それぞれの粗細胞膜を分離精製した。α1及びα2受容体を[^3H]Prazosin、[^3H]Rauwolscineを用いて測定した。〔結果〕各週齢の体重及び血圧は、SHR、WKYとも正塩群、低塩群間に差はなかった。SHRでは8週齢後に高血圧が発症した。正塩飼育ではWKYの各脳部位のα1受容体数は8週齢で上昇傾向、SHRのそれは20週齢まで徐々に上昇した。低塩飼育ではWKYは正塩群と同様の傾向を示したが、SHRでは皮質で不変、視床下部では低下、延髄では増加した。α2受容体数は、正塩飼育ではWKY、SHRともに皮質と視床下部では8週齢で増加傾向、延髄では20週齢で増加した。低塩飼育下においてWKYではいずれの部位でα2受容体数は低下傾向を示したが、SHRは皮質、視床下部では20週齢で増加、延髄では低下傾向を示した。受容体親和性(Kd)はα1、α2受容体とも変化はなかった。〔まとめ〕低塩飼育下において、SHRはWKYと異なり高血圧発症期に延髄のα1受容体数が増加し、α2受容体数は低下した。視床下部ではα1受容体数は低下、α2は増加の傾向があり、延髄における変化と逆の関係にあった。延髄のα2刺激は交感神経機能の抑制を来すことが知られているのので、SHRの延髄α受容体の変化は低塩飼育下にも交感神経機能の活動亢進を示唆するものと解釈される。現在、定量的オ-トラジオグラム法にて測定した脳の各部位のアンジオテンシンII受容体とα受容体との関係を検討中である。
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