研究課題/領域番号 |
01570512
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
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研究分担者 |
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | マルチフルカルボキシラ-ゼ欠損症 / ホロカルボキシラ-ゼ合成酵素 / ビオチン酵素 / 有機酸代謝異常症 |
研究概要 |
新生児型マルチプルカルボキシラ-ゼ欠損症は生後間もなくから著明な代謝性アシド-シスを呈する疾患で、ビオチン酵素である4つのカルボキシラ-ゼが著明に低下している有機酸代謝異常症である。我々はこれまで本症の一次性障害がホロカルボキシラ-ゼ合成酵素(HCS)の欠損にあることを明らかにしてきた。HCSはアポカルボキシラ-ゼにビオチンを結合してホロカルボキシラ-ゼにする酵素であり、これらのカルボキシラ-ゼの機能を介して分岐鎖アミノ酸代謝や糖新生、脂肪酸合成系に大きな役割を果たしている。本酵素の生体内での重要性にも拘らず、未だ十分な検索がなされていなかった。その大きな理由はHCS活性の測定法の困難さにあった。 本研究では1)HCS活性測定法の開発、HCS欠損症患者由来培養リンパ芽球のプロピオニルCoAカルボキシラ-ゼがほとんどアポ酵素であることに着目し、これを基質とする簡便なHCS活性の測定法を開発した。この測定法の開発によってHCS欠損症を分子レベルでの病態解明するためのHCSの精製が可能となり、また患者の酵素学的解析が可能となった。2)HCSの精製 牛肝ミトコンドリアをアセントパウダ-にし、トリス緩衝液で抽出した後硫安分画を行った。0〜45%分画をとり、それをアルミナゲルで処理した後DEAE-Sepharose CL 6BカラムにかけHCS分画を得た。この分画を更にSephacryl S 200HRカラム、HydroxyappatiteカラムおよびPhenyl-SuperoseカラムでHCSの単離精製に成功した。分子量は約40,000で単量体である。ウサギに免疫し、抗HCS抗体を得た。この抗体を用いて現在HCScDNAのクロ-ニング中である。3)患者由来培養線維芽細胞のHCS、患者HCSはいずれも部分欠損であり、高濃度のビオチンにより活性の回復をみた。しかし、ビオチンに対するKmは症例により大きな差がみられた。
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