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ファンコニ-貧血において自然発生する染色体切断点の悪性腫瘍発生における意義

研究課題

研究課題/領域番号 01570533
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 小児科学
研究機関岡山大学

研究代表者

楢原 幸二  岡山大学, 医学部, 講師 (80144765)

研究分担者 小田 慈  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50160875)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードファンコニ-貧血 / 非リンパ性白血病 / 染色体切断 / オンコジ-ン / 脆弱部位
研究概要

ファンコニ-貧血(FA)における好発癌性の機序を解明をするため、FA症例の体細胞で自然発生する染色体切断点を分析し、好発する染色体切断点近傍に位置するオンコジ-ンの再編成の有無を検討した。
岡山大学医学部附属病院小児科および関連病院に入院したFA4症例[8〜11歳]を対象とした。3症例は急性骨髄性白血病[症例1および2]あるいは脳内出血[症例3]で死亡した。症例3および4は多発奇形が認められた。白血病細胞の染色体核型は47、X、ーY、+Yqー、+Yqー、ー7、+der(7)、t(1;7)(p11;q11)[症例1]および46、XY、ー14、+der(14)、t(1;14)(p11;q11)、dup(3)(q23q27)[症例2]であった。培養皮膚繊維芽細胞[症例1]あるいはEBウイルスにより樹立したリンパ芽球様細胞[症例2ー4]においてマイトマイシンC(MMC)に対する感受性を検索し、染色体切断点をGーバンド法により分析した。自然発生する染色体切断の頻度は0.42〜0.56Chromatid break per cellと、正常対照に比し4〜5倍高率で、症例1および2はMMCに対し無感受性、症例3および4は高感受性を示した。自然発生する染色体切断点は正染性クロマチン部および傍着糸点部に位置し、1p11、1q21、3p14、3q21、7p11、8q22、9q11ー13、11q13、11q23、12q13に有意に集中していた。症例4の体細胞でN4ーrasのサザン・ブロット解析を行ったが再編成は認められなかった。
FAで自然発生する染色体切断点の大多数は葉酸あるいはアフィディコリン感受性脆弱部位に集中する傾向があり、多くの部位は非リンパ性白血病にみられる染色体切断点と一致した。これは、毛細血管拡張性失調症に認められるT細胞系腫瘍と同様に、FAにおいても自然発生する染色体切断点の非偶然性が特定の悪腫瘍発生に強く関連することを示唆しており、今後は悪性腫瘍細胞で切断点に存在するオンコジ-ンの再編成を分子遺伝学的に解明することが必要であると考えられた。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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