研究課題/領域番号 |
01570534
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上田 一博 広島大学, 医学部, 教授 (30112189)
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研究分担者 |
原田 佳明 広島大学, 医学部附属病院, 医員
浜崎 隆 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (00180935)
小林 正夫 広島大学, 医学部, 助手 (00162016)
田中 義人 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (90116624)
坂野 堯 広島大学, 医学部, 助教授 (80112192)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HL-60 / LTB4 / fMLP / LTB4レセプタ- / fMLPレセプタ- / 細胞内Ca^<2+> |
研究概要 |
ヒト白血病細胞株HL-60はジメチルスルフォキサイドにより分化する。今回はHL-60をクロ-ニングし、高度に顆粒球系に分化するサブクロ-ンを作成し、これを用いて以下の実験を行った。未分化HL-60細胞はロイコトリエンB4(LTB4)のレセプタ-を発現していないが、分化するにつれて高親和性・低親和性の2種のレセプタ-を発現するようになった。また、分化型HL-60細胞は、走化性ペプチド(fMLP)刺激によりス-パ-オキサイド産生をする。このため、分化HL-60細胞に発現されているLTB4レセプタ-が真に機能的に成熟しているか否かにつき検討した。LTB4処理したHL-60細胞がfMLPによるス-パオキサイド産生を増強したことから、LTB4レセプタ-の機能は明らかに存在していた。この増強作用は細胞外Ca^<2+>非存在下では認められなかったことから、Ca^<2+>の流入が必要であることが明らかとなった。細胞内Ca^<2+>増加およびス-パ-オキサイド産生増強に関するLTB4のEC50は、高親和性のLTB4レセプタ-のKd値に近似していた。これから、ス-パ-オキサイド産生増強に関与するLTB4レセプタ-は高親和性であることが示された。次に、LTB4処理HL-60細胞のfMLPレセプタ-の変化をみたところ、高親和性・低親和性の2種のfMLPレセプタ-に著名な変化がみられなかった。LTB4処理HL-60細胞をfMLPで刺激し細胞内Ca^<2+>の変化をみたところ、細胞内Ca^<2+>の極点(最高値)は対照と差がみられなかったが、細胞内Ca^<2+>濃度がより速く減少していることから、C-キナ-ゼの活性化が強いことが示唆された。以上から、HL-60細胞は機能的に成熟したLTB4レセプタ-を発現しており、この系での「劣化」と「レセプタ-成熟」との関連は興味あることと考えられた。
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