研究概要 |
1.正常骨髄MRI (1)至適パルス系列の決定.In vivoにおいて正常骨髄を至適に画像化するための検討を数式及び実験より考察を加えた結果,shortTI IR法(STLR)が至適となった.TIは160msec.TRは2000msec.である。さらにTEを20msec(STIR with short TE)と120msec(STIR with long TE)とのdouble Echoで撮像していくことも至適であると結論できた。 (2)正常骨髄MRI.STIR with Short TEにて腰椎矢状断像を解析していくと,明瞭な正常像が成人200名の画像から結論ずれられた。赤色髄高信号として椎体周辺部を枠どるように抽出された。各椎体の脂肪髄への変性は椎体中央部よりはじまり,腰椎全体としては下部より脂肪髄化は起っていた。脂肪髄への変性は20代後半より明瞭に同定できたが,30代中頃より40代後半までは画像のみから年代による椎移は判定できなかった。 2.異常骨髄MRI 84症例の各種血液疾患患者の腰椎矢状断像をSTIR with Short TEとlong TEのdouble Echo techniqueにて撮像し,信号強度の変化を観察読影し,さらに異常信号と皮下脂肪との信号強度比をとり比較検討した.STIR with Short TEで再生不良性貧血の80%は低信号を示し,夛発性骨髄腫慢性骨髄性白血病、骨髄線維症と骨髄異形成症候群は均一から不均一な高信号を示した。これら高信号を呈するもののうちSTIR long TEで慢性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群の80%は低信号を示した。STIR with Short TEは水成分を強調し,STIR with long TEは水成分のT_2を強調し高信号としていると考えている.
|