研究課題/領域番号 |
01570606
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大月 三郎 岡山大学, 医学部, 教授 (80033041)
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研究分担者 |
原田 俊樹 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30181019)
秋山 一文 (秋山 一丈) 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (40150990)
柏原 健一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80204387)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メタンフェタミン / コカイン / 逆耐性現象 / 行動感作 / 線条体 / Dー1受容体 / Dー2受容体 / 脳内透析法 / ドパミン / SCH23390 / YMー09151ー2 / 交差逆耐性 / ラット |
研究概要 |
メタンフェタミン(以下MAP)による逆耐性現象に関連する神経化学的変化として、線条体内ドパミン(DA)放出について検討した。 平成元年度:MAPと同様に精神病状態を引き起こすコカイン20mg/kg14日間反復投与し、最終投与から6日の断薬後に透析プロ-ベを左線条体に挿入固定し、翌日に生食対照群ともにコカイン20mg/kgまたはMAP4mg/kgを負荷投与した。コカイン群では生食群よりも有意に強い常同行動が出現し、逆耐性が形成されていた。同時点での線条体細胞外液中のド-パミン(DA)はコカインまたはMAP負荷によっても増加したが、その増加率はコカイン群で有意に大きかった。平成2年度:既に報告した選択的なDー1,Dー2受容体拮抗薬による逆耐性現象の予防効果が逆耐性現象に於てみられるDA放出にどのように影響するかを検討した。MAP4mg/kgを1週間、続いて8mg/kgを1週間それぞれ1日1回腹腔内に投与し、これをMAP群とした。また、各回のMAPに1mg/kgのYMー09151ー2(選択的Dー2受容体拮抗薬)または0.5mg/kgのSCH23390(選択的Dー1受容体拮抗薬)を併用投与した群をそれぞれYMーMAP群、SCHーMAP群とした。対照には生食を腹腔内投与した。いずれの群も最終投与から3ヶ月の断薬期間後に透析プロ-ベを左線条体に挿入固定し、翌日MAP4mg/kgを腹腔内投与した。MAP群では生食対照群に比して、MAP負荷後で常同行動が有意に強く、線条体細胞外液DAが有意に高かった。即ち、3ヶ月の断薬後でも行動上で逆耐性現象とMAP誘発性DA放出の増大が保持されていることが確認された。一方、YMーMAP群、SCHーMAP群はともにMAP群に比して常同行動の出現もMAP誘発性DA放出も有意に抑制されていた。YMーMAP群は生食群と比較してDAに差はなかったが、SCHーMAP群は生食群よりも有意に高いDA放出を示した。両DA受容体拮抗薬の併用投与効果より後シナプスから前シナプスに至る神経回路を介した調節機構が逆耐性形成に伴って変化している可能性が示唆された。
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