研究課題/領域番号 |
01570617
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
野村 総一郎 藤田学園保健衛生大学, 医学部・精神医学教室, 助教授 (80113091)
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研究分担者 |
池田 淑夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部・精神医学教室, 講師 (60121430)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | α_2アドレナリン受容体 / 抗うつ薬 / MHPG / フロンジン / 脳透析法 / 側座核 / 過密環境ストレス / ノルアドレナリン代謝 / セロトニン代謝 / 強制水泳テスト |
研究概要 |
うつ病において前シナプス、後シナプス膜α_2受容体機能の異常を示唆する所見が報告されている。また抗うつ薬の連続投与によってラットの脳内α_2受容体機能が低下することも、結合実験によって示されている。これらのことから、感情病研究においては脳内α_2受容体が重大な鍵となると思われる。本研究では従来あまり検討されていなかった、クロニジン刺激によるMHPG遊離の抑制を指標として、前シスプス膜α_2受容体機能を標価し、抗うつ薬(desipramine 20mg/kg)2週間投与の効果を調べた。まず断頭実験により、脳内各部位の変化を調べ、それに続いて脳透析法を用いて、最近うつ病の病態に重大な関係をもつと言われている側座核のMHPG遊離を調べた。 (1)断頭実験では、視床下部、海馬、大脳皮質において、クロニジン0.1mg/kgの投与60分後にMHPG量が有意に低下した。視床下部においては30〜60分後にノルメタネフリン量も低下した。Desipramine投与によって、上記脳部位におけるクロニジンによるMHPG量の抑制がキャンセルされた。このことからdesipramineにより辺縁系の前シナプスα_2受容体の機能が低下することが示唆され、これまでの受容体結合実験の結果が裏づけられた。 (2)脳透析実験では、まずクロニジン0.1mg/kg投与30〜60分後において側座核のMHPG遊離が約40%低下することが分かった。120〜150分後には前値に復していた。Desipramine 20mg/kgの2週間連続投与によってこの減少は有意に抑制(前値から15%の低下)されることが示された。この結果は(1)の断頭実験に示されたと同様の抗うつ薬によるα_2受容体機能の低下が側座核においてもみられることを示唆する。 以上、これまでの結果は抗うつ薬(desipramine)の作用機序とα_2受容体機能調整との関連を強く示唆するものである。
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