研究課題/領域番号 |
01570620
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
高橋 清久 国立精神・神経センター, 神経研究所・第三部, 部長 (30073076)
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研究分担者 |
西川 徹 国立精神, 神経センター神経研究所・第三部, 室長 (00198441)
三国 雅彦 国立精神, 神経センター神経研究所・第三部, 室長 (00125353)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 季節性感情障害 / 光療法 / サ-カディアンリズム / 炭水化物渇望 / 過眠 / 人口統計的研究 / 単極性感情障害 / 双極性感情障害 / 過食 / 炭水化物飢餓 |
研究概要 |
1988年から全国17施設の参加を得て季節性感情障害の多施設共同研究を行なった。主として新聞によるリクル-トを行なった。SAD診断の基準としてRosenthalのものを用いたが、大うつ病の基準としてはDSMーIIIーRを用いた。1990年春までに新聞記事に対して約2000件の問い合わせがあった。アンケ-トを返送してきたのは510名であり、冬季うつ病の疑いは120名であった。最終的に面接してSADの診断がついたのは男女65名であった。その結果以下の特徴がみられた。 i) 諸外国にくらべ男性患者の比率が高い:男性31名、女性34名でありその比はほぼ1:1であった。これは諸外国からの報告に比べ、極めて男性の比率が高いことを示している。 ii) 緯度差が認められない:北海道で10人、九州で9人と差がなくで緯度による差が認められない。しかしながら今回の調査はリクル-ト調査であり、特定の地域の発病率を比較する疫学的調査ではないので、緯度差がないという結論を下すのは早急である。 iii) 行動抑制が主症状である:初診時の精神症状としては非哀感、焦燥感、不安、罪責感など気分の障害は軽度であり、それにひきかえ活動性低下、就労困難、社会的ひきこもりなど行動上の抑制症状は男女とも高率にみられた。 iv) 過食、炭水化物渇望は女性に特徴的である:女性に過食、炭水化物渇望、体重増加が見られたが、男性ではこれらの症状は少数しかみられなかった。 v) 過眠は男女共に見られる:摂食行動とは対照的に睡眠時間の延長は男女とも70%近い高率に認められている。 vi) 男性20名、女性12名に対して光療法を行なったが、照射前HDRSは16.9であったが、照射後7.9へ低下した。これは光療法の有効性を示唆している。
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