研究課題/領域番号 |
01570644
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
槙野 博史 (槇野 博史) 岡山大学, 医学部, 助手 (50165685)
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研究分担者 |
山崎 康司 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
原本 俊則 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
柏原 直樹 岡山大学, 医学部, 助手 (10233701)
池田 修二 岡山大学, 医学部, 助手 (10212771)
平川 秀三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60156651)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 糖尿病 / 腎炎 / プロテオグリカン / IV型コラ-ゲン / 系球体基底膜 / 細胞外基質 / 蛋白尿 / 電子顕微鏡 / 糸球体基底膜 / 走査電子顕微鏡 / 免疫電子顕微鏡 / ラミニン / 腎糸球体基底膜 / 免疫電顕 / グリコサミノグリカン |
研究概要 |
糖尿病性腎症は組織学的には細胞外基質の増加による腎系球硬化をきたし、臨床的には次第に蛋白尿が増加しネフロ-ゼ症候群を呈し、腎不全へと進行する予後不良の疾患である。ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSーPG)は、細胞外基質の主要構成成分の一つであり、硫酸基の有する陰性荷電のために荷電の面より系球体の透過性を規制している。近年系球体基底膜(GBM)のHSーpGの減少が蛋白尿の原因とも考えられている。糖尿病性腎症の発症機序は不明であるが、近年HSーpGが腎症発症の鍵を握っているとも考えられ注目を浴びている。そこで本研究は、我々がすでに作成している抗HSーpG抗体等を用いて糖尿病性腎症における変化を検討した。蛍光抗体間接法では系球体係蹄におけるHSーpGの減少とメサンギウムにおけるIV型コラ-ゲンの増加が観察された。蛋白尿の多い症例や系球体硬化の進んだ症例ほどHSーpGの減少が著しかった。金コロイドによる免疫電顕ではGBM内・外透明層におけるHSーpGの密度は粗になり減少していた。IV型コラ-ゲンの密度は低下していたが、GBMの肥厚が強いために、総和としてはIV型コラ-ゲンは増加していた。系球体においてはGBMの内・外透明層に分布するHSーpGがcharge barrierとして、また全層に分布するIV型コラ-ゲンが網目を形成してsize barrierとして透過性を制御している。今回の我々の研究により、糖尿病性腎症においては,プロテオグリカンの減少によるcharge barrierの障害とIV型コラ-ゲンの密度低下によるsize barrierの障害をきたし蛋白尿を生じることが明らかにされた。プロテオグリカンの減少とIV型コラ-ゲンの増加は系球体硬化に密接に関連していると考えられた。
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