研究課題/領域番号 |
01570646
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梅田 文夫 九州大学, 医学部, 講師 (80150431)
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研究分担者 |
久富 昭孝 九州大学, 医学部, 助手 (10208762)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | PGI_2産生刺激因子 / 性状 / 精製 / 線維芽細胞培養液 / 血管内皮細胞 / 糖尿病性血管障害 / 一線維芽物細胞培養液 / 血清 / プロスタサイクリン産生刺激活性 / 硫酸アンモニウム / イオン交換クロマトグラフィ- / ヘパリンクロマトグラフィ- / アンチトロンビンIII |
研究概要 |
血管内皮細胞より産生されるプロスタサイクリン(PGI_2)は、強力な血管拡張作用および血小板凝集抑制作用を有する。MacintyreらはPCI_2の産生を刺激する活性が流血中に存在することを報告しているが、その本態因子はいまだ不明である。我々は、培養ウシ血管内皮細胞による生物学的測定系を用い、流血中に本活性の存在を認め、しかも本活性の低下が糖尿病性血管障碍や動脈硬化症の発症、進展に関連している成績を報告してきた。一方、近年種々の生理活性物質が細胞の培養上清より精製されている。我々は、ヒト二倍体線維芽細胞の無血清培養上清(conditroned medium CM)中にPGI_2産生刺激活性を認め、本活性因子(PGI_2 production stimulating factor PSF)の精製を行った。約50L(総蛋白量2g)のCMを濃縮し、蛋白量1mg/mlに調整した。Wators社のHPLC装置に装着したDBAEー5PW(21.5×15)、HEPARINー5PW(7.5×7.5)、PROTEINーPAK300×2の各種HPLC用columnを用い、活性分画を粗精製した。SDSーPAGE上、非還元下でPSFは31kDaの単一バンド、還元下で35、27、8kDaのバンドとして認められた。31kDa蛋白をG4 reverseーphaseHPLCで分析すると、アセトニトリル濃度28%と31%の位置に2種類の蛋白が混在していることが判明した。アミノ酸シ-クエンサ-でそれぞれのN末端アミノ酸配列を分析した。Homology検索の結果、一方はinsulinーlike growth factor(IGF)binding protein4と相同性が高いことが判明した。そこで、IGFー1に対するligandーaffinity columnを作製した。PSF活性はIGFー1 ligand affinity columnのflowーthrough分画に認められた。この分画をC4 reverseーphaseHPLCで分析すると、アセトニトリル濃度31%の位置に単一ピ-クとして認められた。従って、PSFはこの新しい蛋白と推定されている。現在分子生物学的手法を用いてPSFの構造を決定中である。
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