研究概要 |
1.人多形核白血球を用いた糖輸送測定法の臨床応用. (1)糖輸送の測定:人多形核白血球(PMNL)の糖輸送能は、3ーOーMethylーDーglucose(30MG)を用い、生理的条件下、0.05mMの濃度で孵置時間5秒にて行なった。 (2)健常者での検討:健常者29名における糖輸送能は1秒間にPMNL1個あたり平均約10.4flであり、日差変動は小さく(CV=7%)、性差、年令による相違は認められなかった。 (3)インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者での検討:NIDDM患者23名における糖輸送能は13.3fl/cell・secと健常者に比較して有意に高く、その値は、同時に測定した空腹時血糖とは相関せず、HbA1cと相関した (4)ステロイドホルモンの影響:クッシング症候群(N=5)やステロイドホルモンの投与を受けている患者(N=10)ではPMNLへの糖輸送能は著しく減少していた。デキサメサゾンはPMNLの糖輸送能を直接抑制した。 2.1,5アンヒドログルシト-ル(AG)のPMNLへの輸送 ポリオ-ルのひとつであり、ブドウ糖と構造の類似した1,5AGはPMNL内へ糖輸送担体のみならず未知の担体を通して、30MGに比較し、きわめて緩徐に取り込まれた。 3.PMNLの糖輸送担体の同定 Northern blottingでの検討では,少なくともGLUT1の遺伝子は存在するようである。GLUT2ー5のmRNAについて現在検討中である。
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