研究課題/領域番号 |
01570656
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹二 東京女子医科大学, 内分泌センター内科, 助教授 (60138857)
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研究分担者 |
加園 恵三 東京女子医科大学, 内分泌センター, 助手 (90177387)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | インタ-ロイキン1(IL-1) / 高カルシウム血症 / 腫瘍随伴症候群 / PTH様因子 / 扁平上皮癌 / 骨吸収促進因子 / 破骨細胞刺激因子 |
研究概要 |
我々これまで悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の成因について検討しており、1987年、高カルシウム血症を呈して死亡した患者の腫瘍(食道癌)より高カルシウム血症惹起性の扁平上皮癌細胞株(EC-GI)を樹立している(文献1)。また扁平上皮癌細胞は強力な骨吸収促進因子を産生しており、それらがparathyroid hormone-rulated protein(PTH-rP)とinterleukin 1a(IL-1a)であることを見いだしている(文献2)。 そこで、IL-1aとPTH-rP(1-34)の骨吸収活性に及ぼす効果を検討してみたところ、両骨吸収促進因子はin vivoでは相乗的に骨吸収を刺激し、in vitroでは相乗的に血清カルシウム値を上昇させることを見いだした。(文献3)。したがってある種の悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症はPTH様因子(PTH-rP)と非PTH様因子(IL-1a)により惹起されていることが明らかとなった。 また本邦では高カルシウム血症と白血球増多症を呈する悪性腫瘍があることが知られている。このような腫瘍(T31-1)はgranulocyte colony-stimulating factor(G-GSP)を産生していることが見いだされていたが、PTH-rPをも産生していることを見いだした。(文献4)。さらにT3M-1細胞はIL-1をも産生しており、IL-1はhemopoletin1として作用して白血球増多症を促進していることを見いだした。またIL-1はosteoclast-activating factorとしても作用し、高カルシウム血症を増悪させていることを見いだし、ある種の扁平上皮癌に伴う高カルシウム血症と白血球増多症はparaneoplastic syndromeであることを明らかにした(文献4)。 さらにIL-1をin vivoに投与した場合には甲状腺ホルモン代謝に重大な影響を及ぼし、肝臓の5'-脱ヨ-ド酵素が活性化されてしまうため、cachexiaが招来されやすくなることを見いだした。(文献5)。
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