研究課題/領域番号 |
01570664
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
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研究分担者 |
今村 雅寛 北海道大学, 医学部, 助手 (20160062)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 増殖 / 分化 / プロティンキナ-ゼ / リン酸化蛋白質 / 白血病細胞 / ヒト培養白血病細胞 |
研究概要 |
[目的]細胞の癌化には癌遺伝子の活性化と遺伝子産物の質的、量的異常と考えられ、又遺伝子産物の多くはプロティンキナ-ゼ(以下PK)活性を示す。我々は癌細胞のモデルとして白血病細胞につきPKの相互関連、発現様式や内在性基質を解析することを目的とした。 [対象と方法](1)対象は症例の白血病細胞ならびに当科で樹立したCML由来白血病細胞株(MC3)、Ph^1(+)ALL細胞株(TOMI)などである。 (2)方法 各種PK活性はNishizuka、Swarupらの方法に準じ、蛋白質定量はBradford法によった。リン酸化蛋白質はKatohらの方法に準じてオ-トラジオグラムで検討した。 [結果と考察](1)慢性骨髄性白血病症例の白血病細胞のチロシンキナ-ゼ活性(TPK)を細胞質画分と膜画分に分けると、細胞質画分が高値であり、これは急性転化症例でも同一であった。このことはTPK活性は主に膜画分に存在しているとする報告とは異なるものであった。 (2)一方CML由来細胞株では症例とは異なり、膜画分が高値であり、分化誘導剤によっても分布に差はなかった。臨床例との分布の差はTPKの作用機作が夫々の細胞で異なることを示唆している。 (3)MC3とTOM1は同じくPh^1陽性細胞であるが、MC3の細胞増殖はTPK阻害剤のハ-ビマイシンによって軽度の抑制しか受けないのに対し、TOM1の増殖は同一濃度で著しく抑制された。同時に測定したTPK活性はMC3では約1/2に低下したが、TOM1では活性は認められず、CPK活性は保持されていた。このことはより未分化な白血病細胞とある程度分化したリンパ球系白血病細胞のTPKへの依存度の相違によるのかもしれない。 (4)TPKによるリン酸化蛋白質は28、34、44、50、62、79、100、130、170Kが、みられたが、阻害剤処理後には主に34、100、130Kであった。 (5)以上より、白血病細胞の増殖、分化にはPK-CおよびT-PKが密接に関連し、PK-CとT-PKとは細胞種や分化度により発現様式が異なることが示唆され、さらに検討中である。
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