研究概要 |
多発性骨髄腫の経過は多様である。この多様性は形貭細胞の細胞生物学的性状の多様性に関連するものと考えられる。腫瘍性形貭細胞即ち骨髄腫細胞と反応性に増生した形貭細胞(Castleman リンパ腫)の比較のほか,関連来豪との関係で多角的に検討した。この方面の研究は多発性骨髄腫の治療にも関係し,新しい視点に立った治療の開発に繁がる。 1.骨髄腫細胞の空胞化について宅顕レベルで酸性フォスファタ-ゼの合布を検討した。空胞形成はリソソ-ム系の関与による 2.同一骨髄腫細胞によるKと入鎖の産生桟序を考察した。K鎖mRNAがlongーlivedによると考えるとアイソタイプ排除の原則に予盾しない。 3.Castlemanリンパ腫の形貭細胞の単クロ-ン化をIgH,K鎖,TCRB遺伝子の再構成バンドで検索したが,血梢中に少量のM成分存在するにも拘らずこれを認めなかった。本方法の限界を認めた。 4.骨髄腫細胞のmyeloid抗原の表現と形貭細胞性白血病,あるいは二次性白血病との関連性が推定された。 5.骨髄腫患者の未梢血中のringed neutrophlsの証明をはじめて示し,慢性骨髄性白血病,MDSと同様に幹細胞レベルの異常を示す知見として注目される。 6.アミロイド物貭と親和性のある放射性物貭の開発と,これを利用して,アミロイド沈着の診断法が確立された。 7.骨髄腫の治療に用いる副腎皮貭ホルモンがアミロイド症を誘発ないし促進するとの知見を得た。 8.Bence Jones蛋白の等電点とアミロイド原性の関連性,産生形貭細胞の腫瘍性格との関連性について考察し,陽性の知見を得ている(さらに検討中)。
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