研究課題/領域番号 |
01570726
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
梁 壽男 (1990-1991) 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40210827)
田口 忠宏 (1989) 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80188135)
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研究分担者 |
金本 裕吉 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
長田 啓嗣 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10233503)
梁 寿男 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40210827)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 乳癌 / 悪性度 / HPAレクチン / DBAレクチン / 核異型度 / 核DNA量 / レクチン / HPA / DBA / HLA抗原 / BrdU Labeling Index / 異性度 / Bromodeoxy uridine / 抗DNA量 / Helix Pomatia |
研究概要 |
原発性乳癌164例のHPA,DBA結合性を、組織化学染色し、臨床的病理学的諸因子、核異型度、ホルモンレセプタ-、核DNA量とおよび予後との関連を検討し以下の結論を得た。 1.ホルマリン固定パラフィン切片を用いHPAとDBAの染色を行った。正常乳管上皮は細胞膜が、乳癌細胞では細胞膜と細胞質あるいは細胞質のみに染色された。HPAの陽性率は62.2%で、DBAは34.8%であった。 2.HPA結合性と臨床的病理学的諸因子との関連で、腫瘤径では2.1cm以上5.0以下のものと5.1cm以上のものは2cm以下に比し有意に陽性率が高くなった。n因子では、転移陽性例は陰性例比し有意に高率であった。Tnm分類では、I期の陽性率はI期はII期、III期、IV期に比し有意に低率であった。組織型では、充実腺管癌と硬癌は乳頭腺管癌に比し有意に高率であった。閉経状況とHPA結合性とは関連を認めなかった。 3.HPA結合性と核異型度、ホルモンレセプタ-は関連を認めなかったが、核DNA量とは有意の関連を認めた。 4.HPA結合性と予後との関連は、HPA結合陽性例が陰性例に比し累積健存率と累積生存率がともに有意に不良であった。さらに、ER陽性例、閉経後症例、Tnm分類I期では、HPA結合陽性例は陰性例に比し累積健存率と累積生存率はともに有意に不良であった。また、腫瘤径2cm以下の症例、閉経前症例ではHPA陽性例が陰性例に比し累積健存率が有意に不良であった。 5.DBA結合性と臨床的病理学的諸因子との関連では、腫瘤径、組織型、閉経状況とは関連を認めなかった。n因子では、転移陽性例は陰性例比し有意に高率であった。Tnm分類では、I期はII期、III期、IV期に比し有意に低率であった。 6.DBA結合性と予後との関連は、DBA結合陽性例が陰性例に比し累積健存率および累積生存率がともに有意に不良であった。ER陽性例、閉経後症例ではDBA結合陽性例は陰性例に比し累積健存率と累積生存率はともに有意に不良であった。また、N型ではDBA陽性例が陰性例に比し累積健存率が有意に不良であった。 以上の結果より、乳癌組織のHPAとDBA結合性、核異型度、核DNA量、ホルモンレセプタ-を組合せて検討することにより個々の生物学的特性を知ることができ、臨床的にも重要な情報が得られるものと考えられた。
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