研究課題/領域番号 |
01570727
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山本 政勝 関西医科大学, 医学部 (30077573)
|
研究分担者 |
平松 義文 関西医科大学, 医学部, 助手 (30173264)
高田 秀穂 関西医科大学, 医学部, 講師 (30131444)
山村 学 関西医科大学, 医学部, 講師 (60077732)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 多価不飽和脂肪酸 / エイコサペンタエン酸 / 化学発癌 / 腫瘍増殖 / 遠隔転移 / Lewis肺癌 / 増殖 / 転移 / リノ-ル酸 / プロスタグランディン |
研究概要 |
我々は数年来、大腸癌及び乳癌の発癌機序の解明を目指し、各種脂質の発癌に対する影響を検討したところ、ωー6系多価不飽和脂肪酸であるリノ-ル酸が大腸発癌に際して促進的に作用しその作用機序として発癌プロモ-タ-とされる便中胆汁酸の排泄を促進すること、一方ωー3系多価不飽和脂肪酸であるEPAが大腸発癌に対し発癌過程に関与するとされるプロスタグランディンE_2(PGE_2)の腫瘍内合成を抑制することにより発癌を抑制することを解明した。更に乳腺発癌、移植腫瘍(Lewis 肺癌)の増殖・転移においても同様の抑制効果を有することを解明した。そこで今回我々は、EPAの乳腺発癌抑制に対する作用機序、特にPG_8合成に与える影響、大腸発癌における胆汁酸代謝への影響、および癌の promotionの際に上昇するとされるorn ithine decarboxylase(ODC)活性の測定、移植腫瘍の増殖・転移抑制における作用機序等を検討した結果、乳腺腫瘍組織のPGE_2以外のPGF_2α、6ーketoーPGF_1α、TXB_2等にもEPAが合成抑制効果を有することを認め、その発癌抑制の一因となることが示唆された。大腸発癌においては、リノ-ル酸食群に比し、EPA食群で糞便内胆汁酸総量およびデオキシコ-ル酸、リトコ-ル酸等の2次胆汁酸の減少が認められた。また組織内ODC活性も低下していたことより、EPAには胆汁酸およびPGE_2合成を抑制することにより発癌の促進過程を抑制することが示唆された。また移植腫瘍内^3Hーthymidine incorporationは、リノ-ル酸食群で他の2群と比較し有意の増加を認め、腫瘍重量の増加と一致し、EPAはリノ-ル酸と比較し細胞増殖を抑制することが判明した。また、腫瘍内PG_8含量は、リノ-ル酸食群で最も多く以下ステアリン酸食群、EPA食群の順で減少し、EPAは移植腫瘍においても、腫瘍内のPG_8合成能を低下させ増殖に抑制的に作用することが示唆された。
|