研究課題/領域番号 |
01570731
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50125415)
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研究分担者 |
柿坂 明俊 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60194677)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40091566)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 部分肝移植 / リビングドナ- / コアク-リング / 体外循還 / アデニンヌクレオチド / エネルギ-チャ-ジ / 自家移植 / 体外循環 |
研究概要 |
脳死が認められていない我国において、生体部分肝移植は肝臓の臓器移植を可能にする唯一の方法であり、その手技上の問題を解決することが急務であった。生体部分肝移植において最も重要な点は、ドナ-が病人ではなく健丈な成人であるため、その手術に際してはいかなる障害を残すことなく、かつ移植するに足る、高いバイアビリテイを有する移植臓器を得ることであった。そこで一般的な概念である臓器冷却による代謝機能の保護を行ないながら、肝臓の切離を安全に進めかつ出血量を制限する目的で、肝循環を独立させたコアク-リング法を検討した。移植臓器摘出時におけるドナ-肝に対する影響、およびそのグラフト機能について、移植免疫の関与しない手技上の検証モデルである自家移植法によって検討した。対象としたのは、全肝移植で一般的に行なわれている、門脈内の血液を冷乳酸リンゲル液で洗い流して摘出後、氷水中に漬けて移植臓器を冷却するウオッシュアウト法である。臓器摘出前後における肝組織中のアデニンヌクレオチドから算出されるエネルギ-チャ-ジの値からは、両群に有為な差は認められずドナ-の代謝機能を損なうことはなかった。さらに、その摘出臓器の移植による評価においても動脈血ケトン体比で見る限りグラフト機能に有為な差はなく、摘出法による優劣を付けることは出来なかった。結論として、コアク-リング法による部分臓器摘出法は、ドナ-の安全性かつ移植臓器のバイアビリテイを保のに有効であった。しかし、ウオッシュアウト法と比較して、切離操作時の出血の問題を除き、2本のシャントおよび冷却潅流装置を必要とする事など、煩雑であり、現在までの生体部分肝移植の臨床において、ウオッシュアウト法による弊害は特に指摘されておらず、コアク-リング法を必要とする状況は稀であり、限られたケ-スにのみ行ない得るものと考えられた。
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