研究課題/領域番号 |
01570740
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江里口 正純 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10114406)
|
研究分担者 |
藤井 祐三 東京大学, 医科学研究所・外科学, 助手 (40143515)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所・病理学, 教授 (30010424)
清水 浩 東京大学, 医科学研究所, 助手
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | Fetoーacinar panoreatic protein / 膵癌 / 腫瘍マ-カ- / 血清診断 / 膵液 / FAP(Feto-acinar Pancreatic Protein) / J-28モノクロ-ナル抗体 / 胎児性癌抗原 |
研究概要 |
1、今年度は、昨年度に作成した精製FAPを、BALB/cマウスに免疫し、マウス脾細胞を用いた細胞融合法によって、FAPに対する新しいモノクロ-ナル抗体を得た。 2、FAPを認識する2種のマウスモノクロ-ナル抗体を用いた、SANDWICH EIA法を確立し、患者血清429例中のFAPを測定した。FAPの各種疾患別陽性率は、膵癌67%、胆管癌67%、乳頭部癌60%と比較的高値を示したが、大腸癌8%、胃癌16%、肝癌12%、乳癌4%、子宮癌6%、前立腺癌9%等では低い陽性率にとどまった。膵癌以外の悪性疾患でFAPが陽性を示した症例においては、組織学的検索が可能であった全例において、膵への癌浸潤、あるいは慢性膵炎等の膵病変が認められた。又、良性疾患における陽性率は、慢性膵炎47%、肝硬変及び慢性肝炎14%、糖尿病9%等であった。膵癌や膵浸潤陽性の胃癌、乳頭部癌における、膵液中のFAPの陽性率は、70%、慢性膵炎症例での膵液中陽性率は22%であった。 3、FAPの精製法は確立されたが、FAPのアミノ酸配例、糖鎖構造については検討中である。 4、血清中、膵液中とも、FAPとCA19ー9,CEA等との相関関係は認められなかった。膵癌症例での血清中CA19ー9,CEAの陽性率は、429例中各々72%、47%であり、FAPは陽性率はCA19ー9より低かったが、特異性はFAPの方が良好であった。 今後の方針としてさらに感度の良いFAPの測定方法を確立し、慢性膵炎との鑑別診断を含めた、膵癌診断におけるFAPの有用性について検索を進めるとともに、FAPのアミノ酸配例、糖鎖構造に関する解析を進めたい。
|