研究課題/領域番号 |
01570767
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
木村 健一 帝京大学, 医学部, 講師 (00135576)
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研究分担者 |
冲永 功太 (沖永 功太) 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 人工肝機能補助 / 肝潅流 / 拒絶反応 / 肝エネルギ-代謝 / ミトコンドリア / 血中ケトン体比 / エネルギ-チャ-ジ / 人工肝機能保助 / 肝かん流 |
研究概要 |
コリンズ液に代えてUniversity of Wisconsin solution(UW液)を使用することにし、その具体的な処方を検討し作成に成功した。このUW液を使用して家兎肝を採取潅流を行った。潅流は門脈より0.5ml/Kg/minで6時間行ったが、この流量を維持するのに必要な門脈圧は20cmH_2O以下であった。実験群はコントロ-ルとcyclosporinA 25mg(0.25mg/ml)投与の2群とした。コントロ-ルでは、血中ケトン体総量は潅流前169μmol/1、開始後1時間198、3時間306、6時間413、血中ケトン体比は前0.27、1時間0.32、3時間0.41、6時間0.40であった。潅流終了時の肝EC(energy charge)は0.64であった。肝ミトコンドリアのRC(respiratory control ratio)は3.1であった。cyclosporinA 投与群ではcyclosporinA 25mg(0.25mg/ml)を潅流開始後1時間で投与した。門脈圧はコントロ-ルに比べ特に変化はなかった。血中ケトン体総量は潅流前191、開始後1時間(cyclosporinA 投与前)219、3時間(cyclosporinA 投与後2時間)883、6時間(cyclosporinA 投与後5時間)649、血中ケトン体比は前0.20、1時間0.53、3時間0.04、6時間0.06であった。潅流終了時の肝ECは0.85であった。肝ミトコンドリアのRCは2.3であった。血中ケトンは体比は肝ECを反映するものとされ、肝ECと血中ケトン体比の解離例は報告されていない。本研究では、コントロ-ル中にも肝ECが高いにもかかわらず低い血中ケトン体比を示すものが存在し、特に潅流液中にcyclosporinAを投与した実験では、潅流終了時の肝ECは0.85と非常に高い値を示しているにもかかわらず、血中ケトン体比は投与後2時間で0.04と極端な低下を示し、潅流終了時まで持続した。cyclosporinAの存在が血中ケトン体の測定に影響したとも考えられるが、血中ケトン体総量はコントロ-ルにくらべ差はなく、むしろなんらかの理由で解離が起こった可能性が示唆された。
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