研究課題/領域番号 |
01570777
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
柴 光年 (1990) 千葉大学, 医学部・肺癌研究施設第一臨床研究部門, 助手 (20162620)
山川 久美 (1989) 千葉大学, 医学部, 助手 (80191211)
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研究分担者 |
山川 久美 千葉大学, 医学部肺癌研究施設第一臨床研究部門, 非常勤講師 (80191211)
馬場 雅行 千葉大学, 医学部肺癌研究施設第一臨床研究部門, 助手 (00143305)
藤沢 武彦 千葉大学, 医学部肺癌研究施設第一臨床研究部門, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部肺癌研究施設第一臨床研究部門, 教授 (80009448)
柴 光年 千葉大学, 医学部, 助手 (20162620)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | in vivo differentiation assay / primary lung carcinoma / xenotransplantation / deepithelialized / nude mouse / in vivo invasion assay / deepithelialized rat trachea / 肺癌培養細胞 / 浸潤能 / 分化能 / in vivo |
研究概要 |
従来の癌細胞を直接ヌ-ドマウスの皮下に注入する方法では注入後早期の増殖形態の観察が困難であること、さらに移植・継代による形態変化、分化についても腺癌では多くが脱分化を起こし低分化腺癌あるいは未分化癌となることが報告されており癌細胞の in vivoでの分化能を検討するには困難があった。今回、脱上皮ラット気管への注入後にヌ-ドマウスへ移植することにより新たに樹立した継代早期(4〜9代)の肺癌由来の6種の培養細胞の in vivoでの増殖形態を光学的および電顕的に検討した。各細胞株の原発巣、皮下、移植気管内における増殖形態について分化度を比較したところ皮下においては、扁平上皮癌では原発巣に比してより分化した組織像を示した細胞株があったが、腺癌、大細胞癌では原発巣と比べて同程度かあるいはより低分化の組織像を示した。移植気管内では扁平上皮癌由来の1細胞株と大細胞癌由来の細胞株以外は良く分化した組織像を呈した。とくに腺癌由来の細胞株はすべてがそれぞれ管状、乳頭状、篩状の増殖パタ-ンをとり原発巣に比してより分化した細胞組織像を呈した。ラット気管内の非浸潤部では注入細胞は原発腫瘍においても認められなかったような異型の軽度な分化の良好な組織像を呈し、腺癌由来の細胞株ではその組織発生を示唆する所見が得られた。浸潤部では増殖能の高い異型の高度な分化の不良な像を呈した。この原因として環境により増殖可能な cell population が異なる可能性と、mesenchymal interaction の違いによる可能性が示唆された。以上より、本システムによる継代早期の肺癌培養細胞を用いた浸潤性増殖能の検討は臨床的は生物学的特性を加味した予後の推定手段として有用であるのみすらず、また移植気管内非浸潤部の増生像の検討は肺癌組織発生の検索に有用となる可能性が示唆された。
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