研究課題/領域番号 |
01570786
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 和彦 九州大学, 医学部, 助手 (70161528)
|
研究分担者 |
麻生 俊英 九州大学, 医学部, 助手 (20184179)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 心筋虚血 / 細胞外カリウム / カリウム電極 |
研究概要 |
方法:ラットLangendorff灌流心モデルを用い、心電図、左室内バル-ンによる左室収縮期発生圧、拡張期圧、収縮期圧-時微分値、虚血中の静止圧を記録した。Valinomycin-PVC matrix membraneを用いて作成した細胞外カリウム(Ke)測定用電極を左室自由壁内に刺入しKe変化を以下の3群で経時的に測定した。C群(control群):常温下20分の灌流の後、30分の全虚血、30分の再灌流を行なった。H群(hypothermia群):28℃の低温下で同様の測定を行なった。D群(diltiazem群):虚血前10分に5μMdiltiazemを灌流液中に混じ、同様の実験を行なった。結果:C群ではKeは虚血前値5.5mMから虚血直後より上昇、2.5±0.8分で8.3±0.3mMをピ-クに一旦下降し10分以後再び上昇、虚血30分で14.7±0.9mMに達するという2相性の変化を示した。H群においてもKeは上昇したが初期ピ-ク値が10.9±1.1mMとC群に較べて有意に高く(p<0.01)、ピ-クに達するまでの時間も4.6±0.8分と有意に延長した(p<0.01)。D群ではKeの初期上昇が10分、10.4±0.2mMまで続きプラト-を形成、以後徐々に上昇した。30分虚血終了時のKeはH群8.9±0.4mM、D群12.3±0.4mMと、ともにC群より有意に低かった(p<0.01)。また虚血中の左室静止圧上昇(拘縮)はC群28.2±5.2、H群0±0、D群20.7±3.4mHgであり、虚血終期のKe値と有意な相関を示した(r=0.91,p<0.01)。総括:今回の結果よりラット灌流心においては虚血時のKeは2相性の上昇を示し、初期と後期では別の機序が働いていることが示された。虚血後期のKe上昇は拘縮程度と相関し細胞傷害によるK漏出が示唆されたが初期上昇は、ATP-sensitive K channelやNa-K pumpの活性化、不活性化などが複雑に関係していると考えられた。
|