研究概要 |
昨年度の得られた研究の問題点を参考にして研究を進めた。DNA診断は所有している培養肺癌細胞に加えて、細胞バンクおよび学外の研究室により供与を受たものを用いて行った。プロ-ブとしてCーmyc,ーmyc,sac,sis,erbB,rafl,Hーras,KーrasおよびNーrasを用いた。Lーmycおよびsisは一部の限られた細胞にのみ発現していた。その他の遺伝子は大部分の細胞に発現し、増幅しているものも見られた。これらの結果は癌細胞におけるオンコジ-ンの活性化の機構は複雑であることが考えられた。肺癌よりDNAを抽出し、このDNAを正常胞におけるトランスフェクトし、この移入したDNAによってコ-ドされた細胞表面産物を腫瘍抗原(TAA)として、このTAAに対する抗体で検出することは次のように行った。培養肺癌細胞OLCからDNAを抽出したのち、このDNAを制限酵素BamHIで切断のDNAをNIH 3T3細胞にカルシュム沈澱法(Chen&Okayama法)にてトランスフェクトした。培地を交換しながら培養続けてフ-カスを形成した細胞から2クロ-ン(OLT1,2)を分離した。この各々を増殖させ、これらの細胞からDNAを抽出、精製した。OLT細胞由来のDNAは白沢らにより見出だされたPUD3をプロ-ブにSoutharnblotを行ないヒト細胞DNAがトランスフェクトされたことを確認した。NIH 3T3、トランスホ-マントの細胞をデタ-ジエントにて可溶化した蛋白をSDSで電気泳動で解析したところ、いくつかの新しい蛋白質が検出された。既に作製したOLC細胞に特異的なモノクロナ-ル抗体との反応させて腫瘍細胞模上の抗原を蛍光抗体法で調ベたが反応は検出されなかった。そこで、既在の抗体を用いて、これらの細胞に反応するものを捜している。また、これらの細胞のオンコジ-ンの発現をDNA,RNAレベルで検討した。
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