研究課題/領域番号 |
01570792
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤原 直 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60120044)
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研究分担者 |
黒沢 博身 東京女子医学大学, 医学部, 助教授 (50075511)
松尾 浩三 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30190408)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心筋保護 / 再潅流障害 / 未熟心筋 / Cardioplegia / 高潅流圧 / 内皮細胞 / EDRF / 冠拡張剤 / 再灌流障害 / 高灌流圧 |
研究概要 |
平成一年度は実験モデルの確立と測定項的の選定を行い、拍動流の再潅流に与える効果を検討した。実験モデルは人工肺を用いた回路を作成し、冠静脈よりの還流血を右心耳より挿入した10下脱血用カニュ-ラにて回収した。ポンブによる吸引回路により大動脈弁よりもれた血液などを人工肺に戻した。冠血流量は脱血カニュ-ラよりの側枝で測定した。冠潅流開始後心臓を体外に取り出し、温度可変の水槽をもつプラスチック台にのせた。心機能の測定は左室内バル-ン法を用い、左室内圧とdp/atを記録した。実験群としては、まず定常流と拍動流による再潅流を比較した。拍動流による再潅流は我々が開発した拍動流ポンプを使用し、平均圧を定常流と同じく60mmHgとなるように調節した。この結果、拍動流再潅流では定常流による再潅流より収縮機能及び冠血流量の回復が良好である事が判明した。さらに平成二年度には、血管内皮細胞に直接作用して血管拡張をもたらすアセチルコリンの再潅流時投与に関する予備実験を行った。アセチルコリンのイヌ冠動脈における血管拡張作用発現と投与量に関する基礎デ-タがないため、種々の投与量における冠血管抵抗を測定しdoseーresponse curueを作成した。その結果、10^<ー9>〜10^<ー6>cCiol/Lが適量である事がわかり、高再潅流圧を用いた再潅流時に投与し心機能の回復の程度を鶴察した。少数の実験結果ではあるが、内皮細胞を介さず直接血管平滑筋に作用して血管拡張をもたらすニフェジピンやニトログリセリンによる反応(冠血流量及び心機能の改善)とは全く異なり、アセチルコリン投与による改善はみられなかった。この事実は高再潅流圧による再潅流時には血管内皮細胞の障害が発生している事を強く示唆していると思われた。
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