研究課題/領域番号 |
01570809
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 恵司 大阪大学, 医学部, 助手 (50162699)
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研究分担者 |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 髄芽腫 / 脳腫瘍 / 主要組織適合抗原複合体 / 免疫療法 / モノクロ-ナル抗体 / LAK細胞 / インタ-フェロン / 髄芽種 |
研究概要 |
髄芽腫は、小児に発生する悪性脳腫瘍の13ー15%を占め、病態の早期より髄腔内播種をきたしやすく、その根治はきわめて因難であるとされてきた。この腫瘍は、成人に一番多く発生する悪性度の高いグリオブラスト-マに比して、細胞株として樹立された症例は極めて少なく、世界中で数種類しか樹立されていない。我が教室では、2歳と9歳の女児患者より、2種類の細胞株(ONSー76とONSー81)を樹立した。両細胞株は共に3年以上長期継代培養が可能であった。また、細胞形態は不均一かつ未分化であり、ヌ-ドマウスの皮下継代も可能であった。両細胞株は、神経細胞の特徴をよく示す神経特異蛋白(NSE)、およびニュ-ロフィラメント蛋白(NFP)が陽性であった。しかし、グリア細胞のマ-カ-蛋白であるグリア線維性酸性蛋白(GFAP)およびSー100蛋白は陰性であった。両細胞の主要組織適合抗原(MHC)のクラスI抗原は陽性で、クラスII抗原は陰性であった。しかし、ヒトIFNーγにてクラスII抗原は誘導可能であった(Cancer Res,脳と神経)。これら2種類の細胞株は、無血清(D/F)培地内で増殖し、インシュリン、トランスフェリン、上皮成長因子(EGF)に対するレセプタ-が陽性であった。しかし、これらの増殖因子を無血清培地に添加しても、増殖速度に変化が認められなかった。またcーSrcやNーmyc等の癌遺伝子産物が陽性でり、現在他の癌遺伝子についても検索中である。現在ONSー76細胞を用いた髄腔内播種モデルを作製し(Neurol Med Chir)、in vivoにおける病態生理について研究中である。髄芽腫に対するマウスモノクロ-ナル抗体については、その性状と抗原認識部位の同定を行なっている(神経免疫研究)。更に、この抗体を用いて、グリアとニュ-ロンの分化について研究を進めると共に、髄芽腫の大きな特徴である髄腔内播種について早期診断に応用する予定である。
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