研究課題/領域番号 |
01570843
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
太田 弘敏 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30094361)
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研究分担者 |
大塚 隆信 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10185316)
松井 宣夫 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40009569)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 温熱療法 / 悪性骨腫瘍 / 悪性軟部腫瘍 / 化学療法 / 放射腺療法 / 基礎的実験 / 臨床応用 / 培養骨・軟部肉腫 |
研究概要 |
1.目的:骨・軟部悪性腫瘍に対する治療は、抗癌剤や放射線等の集学的に行われるようになり、近年その寛解率は著しく向上してきている。しかし、未だ満足すべきものではなく、また重篤な副作用の問題もあり、更に新しい治療法の開発が必要である。そこで我々は、温熱療法に注目し、基礎的および臨床的に研究を行った。 2.方法:基礎的研究として、(1)骨および軟部組織に対して加温が可能かどうか、生きた豚を用い、サ-モトロンRFで実験を行った。(2)骨・軟部悪性腫瘍に対する温熱療法の有効性を知る目的で、各種の培養細胞を用いて実験を行った。(3)温熱療法と化学療法併用の増強効果につき検索した。(4)抗癌剤の副作用軽減を目的に、武田製薬で現在開発中のTAC-1043(CDDP封入熱感受性リポゾ-ム、41℃以上でCDDP放出)の有用性を実験的に検索した。臨床的研究として、(1)骨・軟部悪性腫瘍患者18名に対し、サ-モトロンRFにて温熱療法を行い、加温状況、またその効果を臨床症状と組織学的に検索した。(2)温熱療法と化学療法、放射線療法の併用効果につき、前記症例につき分析、検討した。 3.結果:実験的に、骨および軟部組織に対する加温は可能で、培養細胞にて、骨・軟部悪性腫瘍に有効であった。また、温熱療法と化学療法との併用は治療効果を明らかに増強し、更にTAC-1043も有用であることが証明された。臨床的にも、ほとんどの症例で抗腫瘍効果の強い42.5℃以上の温度上昇が得られ、臨床症状の軽減、組織学的効果が得られた。更に他の併用療法で治療効果は増強した。以上より、骨・軟部悪意腫瘍に対して温熱療法は有用であり、今後、広く行われるべき治療法と考えた。 今後更に、この分野での研究を基礎的、臨床的に行っていく予定である。
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