研究課題/領域番号 |
01570854
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宗圓 聰 近畿大学, 医学部, 講師 (10142598)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Collagenーinduced arthritis / Bone marrow transplantation / Antiーtype II collagen antibody / collagenーinduced arthritis / bone maarow transplantation / antiーtype II collagen antibody |
研究概要 |
慢性関節リウマチに対する根治的治療としての骨髄移植療法の可能性を検討するために、その誘発モデルであるタイプ||コラ-ゲン関節炎マウスに対する骨髄移植の効果を検討した。 8週齢のDBA/1Jマウスを用いて、型通りタイプ||コラ-ゲン関節炎を発症させた。この関節炎マウスに対して致死量の放射線照射を行ない、24時間後に同系であるDBA/1Jマウスおよび異系であるBALB/cマウスから採取した骨髄細胞を移入した。なお、BALB/cマウスの場合は移植片対宿主反応を避けるために、T細胞を除去した後に移植した。関節炎に対する効果を発症率と関節炎指数および抗タイプ||コラ-ゲン抗体値により判定した。 二次感作1週前に骨髄移植を行なった群では、同系、異系ともに完全に関節炎発症を抑制した。二次感作後2週の関節炎発症後の骨髄移植では、発症の遅延と関節炎指数の減少を認め、この関節炎抑制効果は二次感作後9週まで持続した。抗タイプ||コラ-ゲン抗体値は移植後早期に減少を認めた。これらの発症後の治療効果はより異系移植に強く認められた。 そこで、タイプ||コラ-ゲン関節炎の発症に対する遺伝的背景の関与も示唆され、異系移植の際のキメリズムの確認を補体依存性細胞障害性試験を用いて行なった。クラス1および2抗原は移植後1週で60%、4週で80%、8週で90%以上がドナ-の抗原に置換され、リンパ球表面抗原に関しては2から4週以内に90%以上がすでに置換されていた。さらに、異系骨髄移植後4週で再感作を行なっても関節炎の新たな発症を認めなかった。 以上より、骨髄移植は関節炎発症予防と治療効果を持つことが明らかとなり、また、関節炎発症に対する遺伝的背景の関与が示唆された。
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