研究概要 |
1)領域リンパ節のNK活性は平均10%であったが、領域リンパ節より誘導したLAK細胞の殺細胞能は3症例で20〜30%に上昇した。また前立腺癌で領域リンパ節に転移を有する症例でリンパ節よりLAK細胞を誘導したところインタ-ロイキン2が10〜20単位の濃度でKー562細胞に対し24.8〜27.7%の殺細胞能を認めた。 2)10例の尿路悪性腫瘍患者で2カラ-染色により末梢血リンパ球のサブセットを検討したところ、NK担当細胞であるantiーLeu4(+),antiーLeu19(+)細胞の占める割合と病期とは特に相関関係を認めなかったが、末期癌患者では明らかに低下していた。antiーLeu3a(+),HLAーDR(+)細胞数より、antiーLeu2a(+),HLAーDR(+)細胞数の方が病期が進行するほど増加する傾向が認められ、また病期が進行するとともに、antiーLeu2a(+),antiーLeu15(+)〉antiーLeu2a(+),antiーLeu15(ー)となる傾向とantiーLeu3a(+),HLAーDR(+)/antiーLeu2a(+),HLAーDR(+)の逆転を認めた。 3)7例のリンパ節におけるリンパ球サブセットはantiーLeu3a(+)細胞が主体であり、antiーLeu2a(+)細胞の割合は少なく、さらにantiーLeu7(+)細胞はほとんど認めなかった。またantiーLeu7(+)細胞のなかでもantiーLeu7(+),antiーLeu11(+)細胞が主であり、なおさらcytotoxicityを有さないことが判明した。 4)病巣部については12例で検討したところ、antiーLeu7(+),antiーLeu11(+)細胞はほとんど認められず、antiーLeu3a(+)細胞が主体であり、腫瘍を取巻くようにantiーLeu2a(+)細胞が分布し、外側にantiーLeu3a(+)細胞を認めた。またantiーLeu2a(+)細胞の中でもantiーLeu2a(+),antiーLeu15(ー)細胞(cytotoxic T cell)の方が多く認められた。
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