研究課題/領域番号 |
01570934
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 東京大学 (1990-1991) 香川医科大学 (1989) |
研究代表者 |
福岡 秀興 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80111540)
|
研究分担者 |
田中 宏和 香川医科大学, 母子科学, 助手 (80207125)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | Ca代謝 / Vitamin D転換酵素 / 1α水酸化酵素 / 25水酸化酵素 / 胎児胎盤系 / Vitamin D / 活性型ビタミンD / ビタミンD転換酵素 / 胎盤IUGR(子宮内胎児発育不良) |
研究概要 |
Ca代謝調節は内分泌学の分野でも最も興味を持たれている領域の一つであり、現在それは分子レベルに至るまで解明されるに到っている。翻ってCaは胎児発育に重要な関与をしているにもかかわらず、胎児胎盤系では、その調節機序になお不明な点が多い。Vit D転換酵素の発現機構も成人とは異なり、この系には成人型と胎児型が存在していることが想定されている。そこで本研究では、(1)ヒト胎盤に関して、ミトコンドリア分画に存在する活性型Vit D転換酵素(1αOHase),非活性型Vit D転換酵素(24ROHase)について、その酵素学的特性を、経時的に分析して、正常の場合にはどのように発現していくかを先ず検討した。この分析結果を元にして、正常及び病的(例えばIUGR:子宮内胎児発育不良)胎盤につき比較してその酵素学的差異を検討した。(2)腎臓・胎盤・肝臓にのみ存在すると考えられている1αOHase、25OHase酵素活性が、各々周生期胎仔大脳組織及び肺臓・大脳・腎臓・胎盤にも存在することを発見したが、これらは胎児型と想定され、成人型と比較してその特性を分析し、器官培養法によりその活性発現機構の分析を試みた。 その結果として、1)活性型Vit Dは、胎盤でも転換産生され、胎児発育を支配する重要な因子であることを示唆する結果を得た。24R OHase活性は妊娠20週頃より出現し、各々漸増するという経時的な推移を示した。重症IUGR胎盤で1αOH ase活性は存在せず、24R OHase活性のみであって、胎盤Vit D転換酵素は、病的胎盤でその遺伝子発現抑制現象が起こっている可能性があると思われる。2)Vit D転換酵素はシトクロムPー450酵素添加酵素群であり、胎児型・成人型が想定されている。我々が行った家兎胎仔・新生仔のこれら酵素の各臓器での分析では、25 OHase活性が大脳・肝臓・肺臓・胎盤に存在して、肝臓以外では分娩後一過性に上昇して以降低下消失していった。1αOHase活性は腎臓・胎盤・大脳にも存在し、大脳では新生仔以降低下消失した。これらは従来の概念(おのおの酵素の特定臓器局在性)を打破する新しい発見であり、胎生期と成人では異なった転換酵素群の存在を示唆するものと思われ、現在検索を行っている。
|