研究課題/領域番号 |
01570935
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小柳 孝司 九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
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研究分担者 |
堀本 直幹 九州大学, 医学部, 医員
佐藤 昌司 九州大学, 医学部, 助手 (00225947)
前田 博敬 九州大学, 医学部, 助手 (20199631)
中野 仁雄 九州大学, 医学部, 教授 (40038766)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ヒト胎児 / 胎児心拍数 / Beatーtoーbeat difference / 確率密度図 / 心拍数制御系 / 水頭症胎児 / 無脳児 / ヒト胎児 Human fetus / 心拍数 Heart rate / 個体発生 Ontogeny / 確率密度図 Probability matrix / 折れ線回帰 Pieceーwise linear regression / 心拍数 / 心調律 / 心パ-フォマンス / End-diastolic dimension / Fractional shortening / AVブロック / Supraventricular tachycardia / Tachycardia-induced cardiomyopathy |
研究概要 |
われわれは従来の心拍数陣痛図に換わる胎児心拍数の定量的な記述法として確率密度図を考案し、この3年間、本法を用いて、正常ヒト胎児および水頭症、無脳児における心拍数変動の妊娠の進行にともなう推移について検討を加えた。 1.妊娠20週から41週の正常胎児において、妊娠週数2週毎の全心拍数デ-タから得られた心拍数確率密度図と一様乱数を用いて無作為に抽出した心拍数デ-タから得られた確率密度図を用意し、両者の一致率が90%になるのに必要な最少心拍数デ-タ数を求めた。その結果、妊娠27ー28週では最少心拍数デ-タ数がおよそ2700拍であったのが、その後次第に増加し、妊娠34ー35週ではおよそ6000拍であった。また、妊娠28ー29週と妊娠34ー35週の2つの時期に統計学的に有意な変極点が存在することが分かった。この成績はこれらの変極点を境として、生物学的に意義を異にする3つの心拍数制御機構が存在することを意味している。 2.水頭症(妊娠31ー39週)および無脳児(妊娠24ー34週)症例において、正常例から得られた心拍数確率密度図を参照して、対象例における確率密度図との間の違いを不一致率として算出した。その結果、水頭症症例における不一致率は妊娠30週から39週にいたる期間、ほとんど変化せず、11.8ー30.6%の範囲に分布した。これらの値は正常児の示す個体差のバラツキの範囲に含まれていた。一方、無脳児においては、妊娠24週の15.9ー40.6%から妊娠34週の36.5ー45.3%へと、妊娠の進行にともなって増加し、妊娠31週になると、正常例のバラツキを越えて大きくなることが明らかとなった。このことは、剖検所見を参照して考察すれば、少なくとも妊娠31週以降になると、延髄より上位の中枢神経系の機能が心拍数変動に関与していることを意味している。
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