研究課題/領域番号 |
01570946
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
栗原 篤 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (80192037)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 真珠腫性中耳炎 / 骨破壊 / インタ-ロイキン1 / 上皮細胞 / 肉芽腫 |
研究概要 |
中耳真珠腫の産生する骨破壊誘導物質に関するこれまでの研究において不明瞭であった点につき、本年度購入したイムノリ-ダ-等を駆使してまず検討し、以下の結果を得た。すなわち培養真珠腫上清中のInterleukin-1α(以下IL-1α)レベルをELISA法にて定量し、培養5日間中2〜3日にPeakとなること、培養時に加えたindomethacinはIL-1αレベルに顕著な影響は及ぼさないこと等を確認した。これらをふまえてさらに計画にもとづいた以下の研究を行なった。1.真珠腫組織内のIL-1αの産生細胞の同定:免疫組織化学的手法により真珠腫組織中の上皮細胞層にIL-1αが多量に存在することが明らかとなった。また上皮下肉等腫内にも、各種細胞間もしくは細胞膜上に局在が認められた。培養細胞を用いての実験ではケラチノサイトがIL-1αのを産生放出することを確認し、免疫組織化学との一致をみた。その他A431 cell line等の細胞がIL-1αを産生することを明らかにした。2.IL-1αの産生促進機構:ケラチノサイト等を用い、IL-1α産生への影響を検討しつつ、かつケラチノサイトの長期培養法について実験を行なってきた。今のところendotoxin等によるIL-1αの産生への影響は認められない。3.ケラチンによる肉芽腫形成と骨破壊への役割:ラット空気襄炎症を用いて調べたところケラチン注入後10〜14日で顕著なgiant cell出現を伴なう肉芽腫形成に到ることがあきらかとなった。 真珠腫組織の産生する骨吸収活性は抗IL-1α抗体で特異的に中和されにというこれまでの検討結果からIL-1αの存在に注目してきたが、冒頭にも述べたIL-1αのレベルの測定結果よりIL-1α骨吸収活性全てを説明するに足る量には至らないことも判明し、IL-1αに加え未知の因子の存在も考えられる。従って今後IL-1αの産生機構についての解明に加え、他の因子についてのケラチン肉芽腫等を用いて検索を行う予定である。
|